ノーベル賞・真鍋淑郎さん 妻語る結婚60年の軌跡「フルーツパーラーでお見合いを…」
画像を見る 真鍋さんとリモートで顔合わせをした岸田新首相(写真:共同通信)

 

■真鍋家は「褒めること」と「ありがとう」がとても好き

 

おいしかった飲食店のレシピをすぐさま家で再現。和洋中日替わりで出てくる食卓に、淑郎さんは“自分は果報者”だと感謝する。娘さん2人に恵まれた真鍋夫妻。

 

「うちは褒めるのと『ありがとう』と言うのがとても好きなんです。あまりにも軽くありがとうって言うから、主人は『もうそれ聞き飽きた』って(笑)」

 

その優しさが逆に娘2人には大いにプレッシャーだったようで、

 

「勉強でよく『間違えてもいいんだよ』と言っていたら、娘たちは『もう間違えられない!』とすごく嫌だったと大きくなってから言っていました」

 

茶道・表千家流の免状も持っている信子さん。12年前からプリンストンで、小学生から高校生の日本人に茶道の素晴らしさを教えている。

 

「私は一度やり始めたら極めないと嫌なタイプで、表千家流の講師の資格まで取りました。日本で教育を受けてきた子供たちが親の都合でポンとアメリカに放り込まれたら、誰でも不安定になりますよ。生徒さんも英語の勉強が大変だから、そういうときに日本語でしゃべってあげると安心するみたいです。親にも言えないことってたくさんあるんですよ。同年代の友達とワイワイしながらお茶をしているのを見ていると、自分の生きがいにもなるなと思って務めています」

 

“若者に光を”という考え方は淑郎さんも同じだと信子さんは言う。

 

「主人が文部科学省の方とお話ししてて、彼の科学的観点から日本の教育はちょっと今ひとつだなと思うことを辛口で言っていました。その人の得手不得手を心得て、上手に立ち回らないと。人生1回しかないんだからというのも主人のフィロソフィ(哲学)ですけど。(自分も)アメリカ的になったのかな……」

 

と信子さんが感慨深げに話していると、淑郎さんが自宅のリモート取材現場に登場!

 

90歳になった今も、水泳やヨガを毎日こなしている自らの健康法についてこう話してくれた。

 

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