「友人全員失った」元“反ワクチン”派の女性が語る陰謀論の代償と後悔
画像を見る ピンクドルフィンさんの母子手帳

 

■飛行機雲からは毒が出ている

 

そんな暮らしをするうちに、異常だった甲状腺の数値が正常値に戻り、偏頭痛からも解放されるように。先生の言っていることが正しいんだ、という確信に変わった瞬間だった。さらに、念願の赤ちゃんも授かることができたのだ。

 

“信じてよかった。正しかった”胸が安堵と喜びでいっぱいになった。しかし、幸せもつかの間。授かった小さな命は、妊娠初期の流産の原因として最も多いとされる染色体異常によって流産してしまう。

 

しかし、その時彼女がいたった考えは“自分は解毒しきれてないから流産してしまったんだ”というものだった。ピンクドルフィンさんは、より強力な解毒をするための情報を手に入れようと、ツイッターを始めたと語る。

 

「ツイッターには、“インフルエンザは医療機関のマッチポンプ”“予防接種を打った人の口から病原菌がばらまかれ、感染する”などの情報が、たくさん散らばっていてーー。

 

飛行機雲からは毒が出ているという情報を信じていたので、飛行機雲を見つけたら、写真を撮って“出ている!”ってTwitterに投稿し、重曹でうがいをしていました」

 

そんな折に、新型コロナウイルスの流行が始まった。世界的パンデミックを前に、彼女が至った考えは“コロナは世界の資本家が人口削減のために考えた策略”というもの。

 

「地球環境が限界を迎えていて資源や食料が足りないから、人口を減らすためにコロナが使われている。コロナワクチンを打ったら死んでしまうって本気で思っていたんです。

 

この事実を広めなければいけないという正義感にかられて、人工呼吸器をつけたマネキンの怪しい動画をリツイートしたり、コロナに感染した、という人をツイッターで見つけては引用リツイートで『ここの論理が破綻している』と投稿。コロナは恐れるものではない、ということを主張しつづけました」

 

現実世界の知り合いのことも説得しようとしたが、全く相手にされなかった。

 

「悔しかった。ワクチン打ったら2年後に死ぬんだから! 最後には私が正しいってわかるんだから! そう思っていました。それで、特に激しく衝突した学生時代の友達には縁を切られてしまったんです」

 

現実世界に友達はいなくなったけれど、ツイッターでは友達ができた。ダイレクトメールやラインで情報交換をしたり、時には実際に会ってお茶をする。日常の孤独感はそうやって埋めていった。

 

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出典元:

WEB女性自身

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