「重症化しにくい」「風邪と同じ」。そんなふうに楽観視されることもあるオミクロン株だが、後遺症のリスクは今までと同等かむしろ高い可能性が--。最前線の医師が警告する!
「(オミクロン株は)大したことないって言えばいいんだよね。単なる風邪だと思えばどうってことねえじゃん」
1月22日、タレントのビートたけし(75)が、自らキャスターを務める『新・情報7daysニュースキャスター』(TBS系)の生放送で、感染が急拡大しているオミクロン株についてこんな持論を展開、大きな反響を呼んだ。
強い感染力を持つが、これまでのデルタ株などと比べて重症化しにくいといわれるオミクロン株。
ダウンタウンの松本人志(58)などの一部の芸能人や舛添要一元東京都知事(73)などの一部の有識者も、オミクロン株を “楽観視”するような発言をメディアで繰り返している。
ネット上では、《重症化しないから大丈夫》《もうただの風邪と同じ》といった書き込みも多く見られる。
「現実を何もわかっていません。こういう話を聞くたびに怒り心頭になります」
そう憤るのは、新型コロナウイルスの後遺症患者の診療を行っている「ヒラハタクリニック」(東京・渋谷)の平畑光一院長だ。同クリニックは、’20年3月から新型コロナの後遺症に悩む患者を3,300人以上も診療してきた。
“重症化しにくい”と軽視される向きもあるオミクロン株だが、後遺症のリスクは、これまでの株と同等か、それ以上の可能性もあるのだという。
「今年に入り、オミクロン株の後遺症で診療に来られた方が、すでに10人以上います。年齢は10代~40代、女性が多いです。症状で特に多いのは、『倦怠感』を訴える方。それから“思考力”や“集中力”が低下する『ブレインフォグ』の疑いのある患者さんです。なかには、すでに寝たきりの状態に追い込まれている方もいます」