電通が受注「ALPS処理水は安全チラシ」学校配布に福島の保護者が困惑
画像を見る もともとは”ゆるキャラ”が描かれていたが…

 

■“原発”安全神話から“放射能”安全神話へ

 

東電は、年間22兆ベクレル/kgのトリチウムを含むALPS処理水を、約30年かけて海に流す計画を立てているが、それでも事故前の10倍のトリチウム量になるという。

 

「原発事故が起きる前から、国や東電は子どもたちに広報誌を配ったり、原子力をPRするような標語を作らせたりして“原発は安全”と刷り込みをしてきました。それが事故後は、“放射能は安全”という刷り込みに変わっただけです」(前出の神山さん)

 

こうした“安全アピール”にかかる宣伝費用は、言うまでもなく税金から支払われている。
国や福島県に行政文書の情報公開請求をすることで、“風評払拭”にかかる多額の費用が広告会社「電通」に流れていたことをつきとめた野池元基さん(たぁくらたぁ編集長)は、こう指摘する。

 

「“ゆるキャラ”のトリチウムが載ったチラシや動画も、電通が復興庁から3億700万円で受注した事業の一環だったことが明るみに出て問題になっていました。しかし、そのわずか10日後の4月23日には、今度は資源エネルギー庁が電通に、『ALPS処理水に係る地域対応・国民理解醸成活動等事業』として3億9,050万円で委託契約しているんです。今回のチラシ作成費用も、こうした事業費から出ている可能性もあります」

 

これについて、編集部が資源エネルギー庁に問い合わせたが、期限までに回答はなかった。しかし、上記だけに留まらない、と野池さん。

 

「原発事故後から2021年末の間だけでも、国や福島県から“風評被害”払拭の名のもとに約300億円のPR事業が電通に委託されていたことが情報開示請求によってわかっているのです」

 

本気で“風評被害”を払拭したいなら、子どもたちに“刷り込み”をするのではなく、地元の声を聞き、ALPS処理水の海洋放出こそ見直すべきではないだろうか。

出典元:

WEB女性自身

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