■「構造的に学校ぐるみの悲劇」
このような“負のサイクル”は部活動にだけでなく、学校側にも原因があるという。内田氏は「部活が学校の名前を有名にしてくれるから、学校そのものが部活に依存してしまう」と指摘し、“顧問の権力”についてこう解説する。
「強豪校になると何十年も同じ学校で顧問を続けるといったケースがあります。優勝回数を重ねると、顧問の学校内での立場が偉くなりやすい傾向にあります。一方で、校長は数年間で異動します。そうすると、部活で優勝を勝ち取ってくる顧問にこそ、高校の名前を有名にする力があることになってしまう。つまり、校長もその顧問には頭が上らないことになってしまうのです」
その上で、内田氏はこう続ける。
「それゆえ校長に相談しても、学校の名誉を優先して相談に向き合ってもらえないケースもあります。これは吹奏楽部だけの問題ではなく、学校全体の根深い問題でもあるのです。長時間の練習を行っていて、誰もメスを入れられないのは異常ではないでしょうか。その時点で校長が『おかしい』と言えばいいんですよね。言えないということは学校が黙認しているわけであって、構造的に学校ぐるみの悲劇なのだと思います」
“ブラック部活動”をなくすためには、抜本的な改革が必要なようだ。
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