20年10月、中曽根康弘元首相の内閣・自民党合同葬の会場に到着された秋篠宮ご夫妻(写真:時事通信) 画像を見る

終戦から77年を迎えた8月15日正午。今年も、全国戦没者追悼式に出席された天皇陛下雅子さまは、「全国戦没者之霊」と書かれた標柱の前で、黙祷を捧げられた。

 

天皇陛下が、

 

「私たちは今、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による様々な困難に直面していますが、私たち皆が心を一つにし、力を合わせてこの難しい状況を乗り越え、今後とも、人々の幸せと平和を希求し続けていくことを心から願います」

 

そう述べられたお隣で、雅子さまは真剣なご表情で、陛下のおことばに耳を傾けられていた――。

 

「今夏も“第7波”が感染拡大するなか、日々の生活に制約や不安を余儀なくされている国民を案じられる両陛下の、強いお気持ちが表れたおことばだったと思います」(皇室ジャーナリスト)

 

天皇ご一家は行動でもそのお気持ちを示されている。8月18日、宮内庁はご一家がこの夏のご静養を見送られることを発表した。例年、天皇ご一家は、栃木県の那須御用邸や静岡県の須崎御用邸などにお出かけになり、“夏休み”を過ごされている。しかしコロナ禍のため、一昨年から控えられてきた。

 

「両陛下は一貫して、“全国の新規感染者数が高止まりしている状況では静養を控えるべき”というお考えをお持ちになっています。

 

また昨今は、相次ぐ異常気象による各地の水害も発生し、大きな被害が出ています。苦境に立たされている国民がいる以上、陛下と雅子さまは“バカンス”とも取れる御用邸の滞在はできないと決断されたと聞いています」(宮内庁関係者)

 

陛下とともに、国民の苦しみに寄り添われ続ける雅子さま。だが、全国戦没者追悼式が行われた日本武道館で、9月27日に開催されることが決まった安倍晋三元首相の国葬を巡り、悩ましいお気持ちを抱かれているという――。

 

「前例もあるため国葬への皇族の参列も政府から求められると思われます。要請に従ってどなたかが参列しなくてはなりません。

 

しかし、国民の間に反発が広がっている行事に皇室が関わることについて、雅子さまも懸念されているようなのです」(前出・宮内庁関係者)

 

安倍元首相の国葬に対しては、メディア各社の世論調査でも半数以上が反対という声が占め、なかには8割が反対という集計結果も報じられているのだ。

 

「自民党内からも、『岸田総理は決断が早すぎたのでは』と囁く声が聞こえ始めました。ここまで世論が国葬反対に傾いていることは、総理も想定外だったようです」(官邸関係者)

 

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