■環境省「鮎への食害など在来生物への影響を懸念」
環境省は「外来種被害予防三原則」を提唱している。それは、こういったものだ。
1.「入れない」悪影響を及ぼすおそれのある外来種を自然分布域から非分布域へ入れない
2.「捨てない」飼養・栽培している外来種を適切に管理し、捨てない(逃がさない・放さない・逸出させないことを含む)
3.「拡げない」既に野外にいる外来種を他地域に「拡げない」(増やさないことを含む)
そのため、担当者はリッキーの件について「この三原則には則っていません」とコメント。そして、“放流によるリスク”を語った。
「外来種が定着すると、在来種を食べたり住処を奪ったりなどの影響が考えられます。雷魚の場合、鮎への食害など捕食による在来生物への影響が懸念されています」
また、元々国内に生息する生き物でも、その生物がいなかった地域に持ち込まれた場合には、「外来種」となり、それ以前からその地域にいた生物に影響を与える場合があるという。たとえばカブトムシは、元々は本州以南にしか生息していなかったのに北海道に入ってきてしまった「国内由来の外来種」なのだ。
そのため環境省の担当者は、こう話す。
「国内由来の外来種についても、非分布域や全く違うところに持ち込むのは問題になる場合があります。
例えば、外来種の問題として遺伝的かく乱というものがあります。同じ種類の生き物でも、地域ごとで微妙に異なる遺伝子を持っている場合があります。外来種と交配することで、地域独自に形成されてきた遺伝的特徴がなくなってしまうかもしれません」
たった一つの生き物でも、生態系や社会に大きな影響を与える可能性がある。釣った場所と異なるところに、魚を放流するのはやめた方がいいようだ。
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