全国的に新型コロナウイルスの感染者数がピークアウトに向かいつつあるなか、衝撃的なニュースが届いた。都内にあるクリニックの院長が新型コロナのワクチン接種を“偽造”していたのだ。
9月12日、警視庁は東京都北区にある「王子北口内科クリニック」の院長で医師の船木威徳容疑者(51)を詐欺と公電磁的記録不正作出・同供用容疑で逮捕したと発表。各メディアによると、船木容疑者は昨年8月から9月に、ワクチン未接種の札幌市の知人家族3人の虚偽の接種記録を作成し、国の記録システムに“ワクチン接種済み”として虚偽登録。ワクチンの打ち手に自治体から支払われる接種委託料をだまし取った疑いで、取り調べに対して容疑を認めている。
「船木容疑者はかねて新型コロナのワクチン接種に反対していました。同じくワクチンの効果に懐疑的だった知人家族3人は、日常生活を送る上では“接種したことにする方がメリットがある”ということで、投資セミナーを通じて知り合った船木容疑者のもとで接種を偽装したといいます。
また王子北口内科クリニックで、昨年7月から13都道府県の約230人がワクチンを接種した記録があり、このうち約7割は東京都北区外に在住しているそうです」(医療ジャーナリスト)
新型コロナのワクチン接種の信頼性を大きく揺るがす今回の事件。実は本誌に同クリニック関係者から内部告発が寄せられ、昨年末からこの問題を追っていた。
内部告発者は“偽装接種”の実態について明かす。
「昨年夏頃から、北口内科クリニックでワクチン接種をしたいという人が全国の都道府県から来るようになったそうです。流れとしては、船木容疑者が指定した日時に偽装接種を希望する人が来院。家族の分も偽装接種をする場合は、代表者一人だけがきて、手続きをしていたといいます。そして、船木容疑者しかいない診察室に行き、接種1回目、2回目の証明シールを受け取り帰っていったそうです」
今年1月下旬、偽装接種について本誌は船木容疑者宛てにクリニックへ質問状を送付。すると、船木容疑者からFAXで「記載された内容は、一切事実でないことを申し上げます」と返答があった。
ワクチン接種だけでなく、質問にまで“ウソ”をついていた船木容疑者。医療を冒涜するような行為はあまりにも重い。