【解説】コロナ後遺症の症状
■ワクチン接種が後遺症リスクを軽減するというデータも
大塚副病院長によると、後遺症外来の受診から半年経過しても、通院、診察を継続している患者は全体の約65%にものぼるという。後遺症の症状のなかで圧倒的多数を占める“倦怠感”も生活への影響はさまざま。もちろん個人差はあるが、少し休んだ程度では楽になるレベルではないつらさが日常生活をもろに直撃する。それが長引いたり、慢性化したりするから厄介だ。
コロナに感染した人で倦怠感の症状が出た場合、まずはどのような対処をすればいいのだろうか。
「無理に体を動かしたりすると症状を悪化させ、長引かせることになります。できるだけ体を休めることがなにより大切です。自宅で安静に療養しても症状が改善されない場合は、自治体の後遺症の相談窓口に連絡する、または内科や総合診療科、かかりつけ医などに相談・受診しましょう」
海外の研究機関の報告には、従来株、デルタ株までは、ワクチンを打つと後遺症リスクもある程度軽減されるというデータも。
「オミクロン株になってからはまだ統計が取れてないのではっきりしたことは言えませんが、やはり感染時に重症化すると、後遺症の症状は複雑化し長引く危険性が高いです。その点でも、ワクチンをタイミングのいいところで打ち、感染を重症化させないことが基本原則と言えます」
第7波の感染者が後遺症を訴えるピークはこれからやってくる。新規感染者数が減少傾向にあっても油断は禁物だ。感染すると、同時に後遺症のリスクを負うことになる。その脅威から自分や身の回りの大切な人を守るためにも、感染しないための心がけを徹底することが私たちに求められる。
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