国民の納得する「丁寧な説明」は、いつなされるのか 画像を見る

岸田内閣の支持率が下げ止まらない。反対が賛成を上回っている安倍晋三元首相の国葬に加え、次々と明るみに出る旧統一教会と自民党議員のズブズブな関係ーー。

 

「聞く耳」を持つと強調しているが、実際は聞いたふり、同じ話の繰り返しなどごまかしばかりだ。国葬や統一教会問題以外にも、世論無視のごまかしが続いている。

 

【1】減税逃れに510億円の無駄遣い

 

政府は20日、物価高騰とコロナ対応のため、’22年度予算の予備費から3兆5000億円の支出を決定。

 

その目玉として、住民税が非課税の困窮世帯に5万円の支給を決定した。しかし、手続きの事務手数料が、なんと510億円かかるとして波紋を呼んでいるのだ。

 

「対象世帯へ送る確認書の発送作業の人件費などに約164億円、問い合わせに対応するコールセンター設置に約254億円かかるそうです。こうした給付は、コロナ禍になって3回も行われているので、デジタル化を進めていれば、何百億円もの手数料は必要なかったはず」

 

そう指摘するのは、立憲民主党の衆議院議員で予算委員会の理事を務める後藤祐一さん。

 

さらに、“ガソリン補助金”にかかる事務費と、そのチェック体制も問題だ。後藤さんは続ける。

 

「政府は今年に入り、ガソリン価格の全国平均が168円以上になった場合、34社の石油元売り会社に1リットルあたり37円の補助金を出して店頭価格上昇を抑えました。9月までに1.9兆円、今回の補正予算で1.3兆円拠出していますが、事務費がそれぞれ59億円、18億円かかり、経産省が委託している広告代理店の博報堂に支払われています」

 

博報堂は、石油元売り会社の卸売価格が補助金分引き下げられているか確かめ全国のガソリンスタンドの販売価格も調査しているというが、合計77億円の事務費は果たして適切なのか……。

 

「外部からチェックできておらず万が一どこかで“サヤ抜き”されていてもわからないので、会計検査院に会計検査に入ってもらうよう求めています。消費者がガソリンスタンドで支払う“ガソリン税”をゼロにすれば透明性が担保できるのに」(後藤さん)

 

経産省の元官僚で経済評論家の古賀茂明さんは、このような焼け石に水の施策で「減税すべき」との世論をごまかしていると指摘。

 

「岸田さんは、財務省に操られているので税金を下げたくない。困窮者支援にしても、たった一回5万円を配るより、食料品や光熱費などの軽減税率8%を一時的にでもゼロにしたほうが効果的。他国は、軒並み減税しています」

 

【2】防衛費のため消費増税も

 

増税をもくろむ岸田政権の姿勢は防衛費にも現れている。

 

「岸田首相は今年5月の日米首脳会談で、防衛費を5年以内にGDP比2%以上にあたる11兆円規模にすると約束してしまいました。“岸田降ろし”を避けるため、安倍派の支持を失いたくない。党内右派の安倍派が満足するまで防衛費を引き上げたいのでしょう」(古賀さん)

 

政府与党は先週、防衛費増額のために法人税や金融所得課税などに増税する可能性を示唆している。

 

「岸田さんは最終的には消費税増税を狙っています。しかしさすがに今はできないので、まずは法人税を上げて消費増税への布石にしたいのです」(古賀さん)

 

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