■当面の目標は100歳まで現役でいること。「もうけっこうです」と言われるまで働く
「5年前から、一人暮らしです。朝は6時に起きて、朝食を済ませると、家を出て1時間かけて電車で通勤してます。
帰宅後は、すぐに夕飯の支度。献立はバランスに注意して、肉と魚を交互にしたり、豆類を入れたり。あと、チーズは毎日食べます。
睡眠時間は8時間。でも、休みの前は夜中の1時まで起きてることもありますね。なにしてるかって? 本を読んだり、パソコンのメールをチェックしたりです」
たしかに、自宅リビングのテーブルの中央には、デンと1台のノートパソコンが。
「私、もともと機械好きで、タイプもワープロも覚えるのが早かったんです。パソコンもすぐに使い始めましたし、LINEやZoomで打ち合わせもしますよ。
だから、『女性自身』の記者さんからはがきをもらったときは、いまどきはがきなんて、どんなおじいちゃんが取材に来るんやろうと楽しみにしてましたよ(笑)」
趣味や息抜きも、「必要ない」と言う。
「まあ、91歳だから、疲れて、フ〜ッもあるけど、働けるのは楽しいし、ときどき2人の孫や4人のひ孫も遊びに来てくれるしね。
老いると、誰でもいろんな機能は落ちます。これも、介護と同じで、自分自身とどう向き合うか。できないことを嘆くのやなしに、できることを見つけて、さらに磨きをかけることが大事。
私が、もういっぺん勉強したいと佛教大学に入学したのは48歳。通信で卒業まで10年かかりましたけど、生きる張りになりました」
当面の目標は、100歳まで現役でいること。
「それを達成するためには、心構えとしては、その10年先まで見据えて『110歳まで頑張る』ことを目標にせなあかんと思うんです。
これからも日々の出会いや会話を大切にしながら、『もうけっこうです』と言われるまで、働けるだけ働こうと思うてますけど、いや、私、欲張りやろか(笑)」
(※文中の施設利用者の方はすべて仮名です)