コロナとインフル同時感染で懸念される「肺炎の重症化リスク」
画像を見る 水際対策緩和後、にぎわいを見せる東京・原宿の竹下通り(写真:共同通信)

 

■コロナとインフルの病原性が“足し算”される

 

日本でも、長崎大学の研究グループが、フルロナが肺炎の重症化につながる恐れがあることを論文にまとめており、昨年10月に英オンライン学術誌「サイエンティフィック・リポーツ」に掲載された。同研究グループの一人、長崎大学高度感染症研究センターの木下貴明助教が解説する。

 

「コロナウイルスの重症化リスクの高い変異株(D614G)と、インフルエンザのウイルスをハムスターに同時感染させて検討したところ、肺炎においては単独感染よりも重症化し、さらに回復が遅れることが明らかになりました。現在、重症化リスクが低いとされるオミクロン株でも研究を続けていますが、フルロナのほうが単独感染よりも重症化しやすい傾向にある実験データを得ています。新型コロナとインフルエンザのそれぞれの病原性が足し算されたようなイメージだと認識しています」

 

二木教授が語る。

 

「政府としては、まずは75万人の感染者が出ないような予防対策を考えてもらいたいし、家庭や個人としてもそれぞれの感染予防を心がけておくことが重要。重症化するリスクの高い方は、オミクロン株対応のワクチンとインフルエンザのワクチン両方を接種することを積極的に考えてください。また、新型コロナのほうがインフルエンザよりも飛沫感染が起こりやすい面がありますが、どちらも有効な予防法は、これまで行っていた感染対策と基本的に同様です。手指の消毒、屋内で人と会話するときのマスク着用、室内換気を心がけましょう」

 

新たな局面を迎えることになりそうなコロナ第8波。日ごろの感染対策を改めて確認しておく姿勢が私たちに求められている。

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