■〈松潤の大河まで死ねないおばあちゃん〉。孫がツイートしたらいきなりバズって
「最初は、おばあちゃんの90歳の誕生日に、ツイッターに家族で祝ったときの写真を上げました。ただ、これは私自身の思い出のつもりでした。大好きなおばあちゃんが、90歳という大台に乗ったことのお祝い、記念として。
ですから、本人にも家族にも友達にも内緒だったんです」
麻咲子さんが、千恵子さんの密かなSNSデビューについて語る。3年前の4月6日のことだ。
こうして、祖母が嵐や韓国ドラマに夢中になっている様子などが、孫娘によって次々とツイッターにアップされていった。
なかでも多いのが韓流の話題だが、長生きの秘訣であり、80代になってハマったというその魅力について千恵子さんは、
最初は、『愛の不時着』のヒョンビンから。『梨泰院クラス』のパク・ソジュンも好き。
韓国ドラマのどこがいいかって? 美男と美女しか登場しないじゃない。そりゃ夢中になってるうちに、イヤなことなんて忘れちゃうわよ」
突然、家族の生活を一変させる転機が訪れたのは、’21年1月のこと。
大好きな松本潤が、’23年の年明けから始まるNHK大河ドラマ『どうする家康』で主演することが報じられたとき、草間家の居間ではこんなやりとりがあった。
孫「おばあちゃん、たいへんだよ。2年後、松潤が大河主演だって」
千恵子「ええっ、じゃあ、あたし、あと2年は死ねない」
嫁「お義母さん、2年じゃダメよ。放映が1年続くんだから」
千恵子「そうか! じゃ、あたし、まだ3年は死ねないんだ。松潤のおかげで、また寿命が1年延びたわ!!」
この“大河騒動”を、麻咲子さんは、早速、ツイッターにアップした。タイトルは、
〈松潤の大河まで死ねないおばあちゃん〉
「そしたら、これが、いきなりバズっちゃって。もっとちゃんとやらなきゃと思って、それからインスタがメインとなり、画像だけから動画も増やしていったり、BGMも工夫したり。
最初から大切にしていたのは、きれいに見せることではなく、おばあちゃんの、ありのままの“素”を伝えることでした」
麻咲子さんはそう思って続けていたというが、驚いたのは、当の千恵子さん。
「だって、最初は知らなかったんだもん。言っちゃえば、隠し撮りでしょ(笑)。もう、恥ずかしかったわよね。
あたしは人一倍の感激屋。だから、好きな推しを応援するのも真剣。そんな姿が笑い話になって、みんなが元気になるっていうし、実際にお店まで会いに来てくれるようになったでしょう。少しは、世の中のお役に立ててるのかなと思ったら、それも、おもしろいじゃないか、って」
裕樹子さんはいう。
「インスタを見て店まで会いに来てくれる人が増えたおかげで、義母は20歳も若返りました。来年、松本潤さんのドラマが始まったら、どうなるんでしょうか(笑)」