■迷惑系YouTuberの影響も
「特に子供たちの場合、知識不足があると思います。1つは、自分の行為が犯罪に該当するとは思っていない可能性。
もう1つは、これまでの私たち大人の対応にも問題があるかもしれないですが、万が一のことがあっても謝ったら許されると思い込んでいるところがあるのではないかと思います。子供のしたことだからと。子供らも過去の炎上とかを全く知らないわけではないと思うんです。けれども、そんな大きい裁判になったケースもあまりなく、“いたずら”とか“悪ふざけ”と呼ばれているので、犯罪であるという見え方ができてなかったのかなと思います」
また、ここ数年勢いを増している炎上することで注目を集めるYouTuberの影響もあるという。
「いわゆる“迷惑系YouTuber”と言われる人たちの人気が高まってしまっているので、『彼らだってやってるじゃん』みたいなことをどこかで考えていて、危機感がどんどん下がっていってしまうって言うのはあるかもしれないですね」
その上で、後藤さんはまずすべき“親の務め”についてこう指摘する。
「親御さんからお子さんにまずぜひ伝えていただきたいのは、『最近ニュースで流れているようなことは”いたずら”とか“悪ふざけ”じゃなくて、犯罪だよ』ということです。『世の中には謝っても、許されないことがちゃんとあるんだよ』と。
例えばいじめも謝れば許されるんじゃないかという誤った風潮が一部にありますが、謝っても許すかどうかは被害者側が決めること。ましてや今回の炎上についてはやってることは犯罪行為なので、『謝っても許されないよ』ってのは必ず伝えていただきたいことですね。
例えば営業妨害だったら『偽計業務妨害罪』に当てはまる可能性があるよと。お醤油のボトルをダメにしたり、食材を廃棄させてしまうと『器物損害罪』になる可能性もあるし、犯罪者になっちゃうんだよってことは伝えないといけないですね。
それでも『有名になりたいんだよ』って気持ちがあるかもしれないけど、いくら犯罪者として有名になっても一生を棒に振るだけなので、別のやり方で有名になったり、仲間にすごいね、面白いねと言ってもらえるように、他のことをがんばったほうがいいよと伝えていただきたいですね」
子供の友人関係も含めた迷惑行為への危機感を高めることも重要だという。
「もし自分の友達が目の前で迷惑行為をしようとしたら『勇気を出して止めて欲しい』と、伝えてあげてほしいです。やっぱり友人が炎上するとその友達にも影響が出ます。あと、もしお子さんが知らない人の迷惑行為を見かけたら、本人に直接注意するのは危険性もあるので、例えば、すぐお店の人に知らせるとか、警察になるべく早く伝えることで二次被害を止められるので。そうやって『世の中の安全を守れる立場の人間になって』っていうのは伝えてもらえたらいいなと思います」