「ミサイル購入で平和が守れますか?」東村アキコさんが抱く岸田政権の軍拡への疑問
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■周辺国との緊張が高まることへの懸念

 

「コロナ禍以降続く物価の上昇で、この3年ほど、生活が厳しくなっています。ガス代も電気代も高くなったし、各家庭では教育費などでも大変な思いをしています。もっと日常生活のために税金を使うという選択肢はないのでしょうか。もちろん、反対の意見もあると思います。もっと賛否を含めた議論を聞きたいのです」

 

防衛費増税をはじめ、自民党は憲法9条に自衛隊を明記する改憲案を打ち出すなど、政府は軍拡の動きを加速させている。

 

考えたくないことだが、今を生きる若者たちが戦地に送り出されてしまう可能性もゼロとは言い切れない。エッセイ漫画『ママはテンパリスト』では、息子“ごっちゃん”の幼少期を描いた東村さん。一人の母親としても、決して人ごとではないのだ。

 

「防衛費と言いながら、敵基地を攻撃する武器を購入することで、周辺国との緊張が高まることも不安の一つです。

 

いま、ウクライナでは、18歳から60歳までの男性が出国を禁止されたと報じられています。“ごっちゃん”も、いまは高校生。軍事的な衝突が起これば、どうなるのか……」

 

ウクライナでは侵攻開始当日の’22年2月24日に発令された総動員令が今も発令されたまま。自分の子供を戦地に立たせるのは、どんな親でも避けたいだろう。

 

「外交などを通じて、どんな話し合いをするのか、防衛費を増やす以外の道筋も、もっと見える形で示してほしいです。ほんとうに、私にはわからないことばかり。だからこそ、納得できる説明や議論をしてほしいんです」

 

東村さんが訴えるような、子を持つ母の思いは、岸田政権に届くのだろうか。

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