リュウジ氏の公式Instagramより 画像を見る

ここ最近、各所で物議を醸している昆虫食。著名人が次々と持論を展開するなか、人気料理研究家のリュウジ(36)の意見に対して賛否さまざまな意見が飛び交っている。

 

世界的な食糧危機への懸念が高まるなか、次世代タンパク源として昆虫食が注目を集めているが、徳島県の高校の食物科がコオロギパウダーを使った給食を希望者に試食で提供し、「子供に食べさせるな」といったクレームが続出する事態に。

 

さらに、Pascoで知られる製パン大手「敷島製パン」や「無印良品」のコオロギパウダー入り商品にまで飛び火し、デマや誹謗中傷などが拡散されている。さらには、「地球上で最も栄養価が高く、高カロリーな物質の1つ」として16年に研究結果が発表された「ゴキブリミルク」までもが2日、ツイッターでトレンド入りするなど波紋は広がり続けている。

 

このように昆虫食への関心と拒絶感が同時に高まるなか、リュウジは2日に、酪農の窮状を訴えるニュース記事を引用しつつTwitterで次のように発言した。

 

《俺は料理研究家だから「世の中が本当に求めている」ならコオロギ料理だってやるけど今はそれより酪農をどうにかしたい

 

牛乳は捨てられ、牛も減らせと言われているこの状況なら至高のコオロギレシピより至高の牛乳レシピ作るし食べてほしいし世の中もそれを求めてほしい》

 

この発言の背景には、引用していたニュース記事でも触れられていた農水省による生乳の需給調整対策がある。

 

「北海道の酪農家では、牛乳などの原料となる生乳が余り、廃棄処分をせざるを得ない事態が起きています。そのため、国は1日から生乳の生産抑制のため、乳牛の殺処分に対し1頭あたり15万円の助成金を出すことになりました。

 

14年ごろバター不足が起き、輸入ではなく国産のバターを作るようにと政府は生乳の生産量を増やすための設備投資などに補助金を出し、多くの酪農家が生乳の増産に踏み切りましたが、結果として現在の生乳が余って供給が上回る皮肉な状況となってしまいました」(全国紙記者)

 

そうした背景もあり、リュウジの発言は1000万件以上も表示され、14.3万件もの「いいね」(3月3日15時時点)が押されるなど、大多数の賛同を得ている。

 

《コオロギより牛乳ですよね!!!リュウジさんがこの件に触れてくださって凄く嬉しいです。世の中の大多数がコオロギより牛乳派だろうと思います》
《本当に世の中の声として言わせてください、一生コオロギが食べられなくても困らないですが一生牛乳製品が食べられないなら困ります。もっと一生懸命牛乳飲みます!》
《酪農家です。本当にコオロギ食を推奨するくらいなら、政府によって廃棄せざるを得ない生乳をどうにかして欲しいです。牛の命も私達の生活も考えて欲しいです…》

 

一方で、昆虫食と生乳の需給調整問題は切り離して考えるべきだという指摘も。

 

《牛乳の件とコオロギの件は別軸案件だと思うから紐付けて考えるとややこしくなると思う。牛乳問題は牛乳問題として向き合うべき。コオロギ食べる食べない関係なしに牛乳飲めば良いし、国内消費が追いつかないなら輸出できる程に加工技術を上げるくらいしか術はないかなと》
《牛の問題で牛に対策がとられてることを、全く別問題の虫のせいと繋げるのは理屈がめちゃくちゃでナンセンス。でも至高の牛乳レシピは美味しそうだし良いと思います》
《昆虫関係なく牛乳買って飲めばいい。多すぎるから捨てられるのだから処分したくなければ消費するしかない。大賛成。牛乳美味しいよ。昆虫とか培養肉は可能性として粛々と開発すりゃよくて、関係ない牛乳だの絡めて叩くのも的外れで大丈夫か?って思う》

 

「そもそも昆虫食への強い拒否感に加えて、牛乳の廃棄や牛の殺処分という感情に訴えてくる問題が重なったことで、なぜか“コオロギ”か“牛乳”かという2択で語られがちですが、そもそも2つは完全に別問題です。将来の食糧難の時代へ向けた研究・投資である昆虫食と、現在起きている食料自給率やフードロス問題は分けて考えて、どちらも取り組むべき。恐怖心からかデマなどが飛び交っていますが、今すぐ昆虫食を強要されることはないので、冷静に考えていくべきでしょう」(前出・全国紙記者)

 

賛否あるとはいえ、心ある料理家の発言が食料問題を考えるきっかけになったことには違いない。

出典元:

WEB女性自身

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