祖母と孫、年の差51歳の驚きのラップユニット・赤ちゃん婆ちゃん爆誕秘話
画像を見る 「祖母とは幼いころはたまに会うくらいで、まさか一緒にラップをやるとは」と語る玄武はソロとしても活動を始めた

 

■イギリスの通信社からもオファーを受け 「これからは英語も覚えなあかんな」

 

〈♪15 68 ないのさ関係……絶対吐きたくねぇのは弱音 甘えてばっかじゃ 高くは飛ばねえ 自分らしく持つ誇り……金金金金 金くれよ〉

 

『金くれよ』も、赤ちゃん婆ちゃんの人気曲の一つ。元となるリリックを書いたのはでこ八だ。

 

「わたしの詞に、玄武が韻を踏ますなど手直ししてくれます。テーマ? もう、感じたことを、そのまんま」

 

この曲作りにも、あるきっかけとなる実体験があったという。

 

「若いラッパーのコたちは、もう大会に出るだけで満足して、ギャラをもらってないことも多かった。でも、それはナンセンス。わたしは10代のころ漫才をやっていたんですが、どんな小さな舞台でも、呼ばれたらギャラをいただいてた。それが明日の頑張りにつながった。

 

だから、主催者の方には、少額でも、きちんと報酬を出してあげてほしいと、そんな年寄りの気持ちをリリックにしたんよ」

 

いつも前向きなでこ八だが、最初にバトルに出たときは、少しためらったと打ち明けた。

 

「バトルとなると、罵り合いみたいで、正直、イヤやったんです。でも、プロデューサーさんから、『おばあさん、勝ち負けは関係なく盛り上げるためにお願いします』と頼まれて、じゃ1回だけ、と。

 

いざ出ると、このわたしが頭が真っ白になっとる(笑)。漫才の舞台では、一度もアガったこともなかったのに。その緊張感がまたよくて、ハマったんやね」

 

そしてバトル出場を通じて、祖母として、一つの発見があった。

 

「この孫の玄武がね、ふだんは物静かなコなんやけど、いったんステージに立つと、ラップのリズム感もバツグンやし、ようしゃべる。

 

いちばん驚いたのは、わたしの分のリリックまで覚えてて、フォローしてくれた。また、折にふれて『薬は飲んだか』と聞いてくれる。ああ、このコは案外に頼もしいとこあるんやと、ばあちゃんとしては素直にうれしかった」

 

そしてラップをしていると、いつしか痛みも消えていたという。

 

赤ちゃん婆ちゃんは快進撃を続ける。イギリスの通信社からもオファーを受け、いよいよ今年は世界デビューか。

 

「これからは英語も覚えなあかんな。日本語のラップでも苦労してんのに(笑)。英語になったら、わたし、なんと自己紹介しましょうか」

 

隣から玄武が、

 

「ジャパニーズ・クレイジー・グランドマザー、かなぁ」

 

すかさず、でこ八、

 

「いや、そこは、クレイジーやなしに、グレートにしといてや!!」

 

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