平均78歳のおばあちゃんが経営する「BaBaピザ」代表・キョウコさんが語る波乱万丈の半生
画像を見る 一番人気はハマグリピザ。ピザソースにもハマグリの煮汁を使っておりコクのある味わいにリピーターも多い

 

■苦しいことも楽しいことも店に行けば共有できる。年を重ねるほど、友達の大切さが身に染みる

 

「近くに息子はいますが、私は、45年間、ずっと一人暮らし。

 

でも、BaBaピザの店があるおかげで毎日が忙しくて、孤独どころじゃない。やっぱり、責任ある仕事があるのは、生活のハリになるわね」

 

店の戸締まりを済ませたあと、車に5分ほど乗ってお邪魔したキョウコさんの自宅。庭の桜の木では、びっしりとついたつぼみが開花のときを待っていた。

 

「今年も、この桜の下でみんなで花見をしようと、今日も話したばかり」

 

店の喧騒とは対極のような、静まり返ったリビングには、自作という油絵、陶芸品、リサイクル着物など、実に多趣味なことがうかがえた。

 

「ピザ屋もそうだけど、なんでもやるならとことん、という主義。その代わり、勉強もします」

 

今後のBaBaピザの目標について尋ねると、

 

「開店当初、店名に“よりどころ”と加えようと思ってたの。ありがたいことに、今はテレビで見たという遠方からのお客さまも増えたけど、それに加えて、地元の人にも、もっと来てほしい。お年寄りが、手押し車でフラリと寄れる場所にしたいの。

 

店を続けることに不安はないんです。6人全員に、半世紀近い歳月と信頼の積み重ねがあるから。文句を言い合いながらも残ったのが、あの6人なのよ(笑)。

 

苦しいことも楽しいことも、あの店に行けば、みんなと共有できる。年を重ねれば重ねるほど、友達の大切さが身に染みます」

 

地物野菜のスムージーなど、ピザ以外の新メニューも考案中とか。6人のBaBaたちは、まだまだやる気いっぱい。

【関連画像】

関連カテゴリー: