手数料で2000万円中抜き、元本半減…銀行が勧めた”安全”投資で老後資金消滅!実例5
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【4】原監督も! 素人は複雑な品に手を出すな

 

「高利回りの債券」「株価が多少下がっても元本は割れない」などと証券マンに勧められ「EB債」に2000万円を投資したDさん(60代)。満期時には償還金ではなく、800万円の価値しかない株券が戻ってきた。

 

「EB債は債券の一種ですが、特定企業の株価の値動きによって、満期時に受け取るものが変わります」

 

Dさんもそうだが満期時には株式で戻ってきて、投資額の半分以下の価値になることもある。しかし、販売時にリスクが適切に説明されず、投資家が多額の損失を被るトラブルが多発。金融庁が監視を強めるほどだ。

 

「EB債や原監督のAT1債などは複雑な仕組みを持つプロ向けの金融商品。説明を受け理解したつもりでも、原監督は細かい特記事項まで読んでいなかったのでしょう。そこに不利な条件が隠れていたのです」

 

【5】高配当株が大暴落

 

Eさん(60代)は約5年前、5%台と高配当なJT株を約300万円で購入。最初の1年で配当金は約15万円あり、その後も配当は5~7%をキープしていた。だが、株価が大暴落。Eさんは泣く泣く約200万円で売却を決めた。

 

「Eさんは配当金に注目するあまり、株価の分析が足りなかったのかも。EさんがJT株を保有した約3年間で配当総額は約46万円でしたが、株価下落による損失を補えるほどではありません」

 

老後資金のための投資で、老後破綻に追い込まれるなど本末転倒だ。中高年の投資は何に注意すればいいのだろう。西崎さんに5つのポイントを教えてもらった。

 

(1)値動きの小さい安定的な投資を

激しい値動きにドキドキハラハラしていては判断を誤りがちに。中高年は大きくもうけるより、資産を減らさないことを第一に。

 

(2)複雑な商品を買わない

EB債やAT1債など仕組みが理解できないものに手を出さない。

 

(3)運用コストは1%以下にする

運用コストは1%以下に。Bさんのようにコストが高いと、運用成績がよくてもコスト負けする。

 

(4)現金化しやすくする

介護や病気で突然まとまった資金が必要になることも。据え置き期間の長いものは避けて。

 

(5)金融機関に任せきりにしない

「専門家にお任せ」をうのみにしてはいけない。自分の資金は自分で守る。投資は自己責任だ。

 

安定的な資産運用で、虎の子の老後資金を守ろう。

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