自動車保険の保険金不正請求問題で、連日批判が殺到している中古車販売大手「ビッグモーター」。7月18日には社長ら役員の報酬返上を発表するなど、反省の姿勢を示しているように思われていたが、まさかの“逆ギレ”が明らかとなり火に油を注ぐ事態となっている。
20日の「産経新聞オンライン」の記事によると、兼重宏行社長は19日に全店の店長に宛ててLINEを配信。関係者が明かしたという文面によると、一連の報道はあくまでも過去にあったごく一部の事例であるとした上で、「世間の関心を集めるために、会社全体の組織ぐるみだと決めつけて」いると、怒りをこめてメディアを批判していたという。
過去にあったことと逆ギレした兼重社長だが、同社の酷い実態が日に日に露呈している。
「ビッグモーターは、第三者委員会が6月までに提出した調査報告書によると、4人に1人が『不正な作業に関与した』と明らかになっています。現場のスタッフが顧客の車にわざと傷をつけて修理費用を水増しし、損害保険会社へも不正に保険金を請求するような状況が蔓延していたのです。
この事実が報じられた後の7月18日には、兼重社長を始めとした役員らが報酬を返上すると発表。翌19日にはイメージキャラクターである佐藤隆太さん(43)の所属事務所が、イメージダウンを懸念して契約解除を協議していると明らかにしていました。現在は、公式サイトのトップページから佐藤さんの写真が削除されており、CM動画も確認できません。テレビCMについても、ビッグモーター側から放送中止を通知していることが分かっています」(全国紙記者)
さらに18日には、国土交通省の斉藤鉄夫大臣が、調査報告書を受けて「もしそういうことがあったとしたら、言語道断の話だと思います」と厳しくコメント。20日にも、東京海上ホールディングス(HD)の永野毅会長が「報道されていることしか分からないが、われわれのビジネスの常識を超えている」と、痛烈に批判している。
こうして国交省の交通大臣や取引先、ワイドショーなどでも批判を浴びているビッグモーター。CMももはや放送中止せざるを得ない状況にまで陥り、せめてもの反省の姿勢として給与返上を宣言していたところで、発覚した社長の“逆ギレLINE”。あまりの誠意のなさに、ネット上では批判が殺到している。
《この社長、この期に及んでまだ問題の本質がわかってないように思います。社員の不祥事が問題というより、社員が不祥事を起こすような経営に問題の本質があるのではないでしょうか。そもそも、一年間の報酬返上で収まると思った時点で、リスク管理能力の無さを露呈してます》
《国交相が言及した以上恐らく入るであろう国交省の監査後でもその強気が保てるんですかねぇ…こういうリークがポロポロと出てくるということは今までどういう経営をしていたかが何となく察せますね》
《社長の資質を疑いますね。会社にとって一部の社員がした事だとしても、会社全体のイメージダウンになる事は当たり前のことだし、それをその一部の社員のせい、マスコミのせいと言ってる時点でどうかと思います》
《ビッグモーターの兼重社長が全店長に向けてLINEで「決めつけて報道している」とメディア批判をしたと報じられましたね。逆ギレですか。これじゃ自浄作用も起きませんね》
その後、産経新聞の取材に対して同社はLINEの存在を認め、謝罪したという。