■来るべき物価高への対応策は果たして…
その場合、50代世帯がどのくらいの負担増に見舞われるのか。生活経済ジャーナリストの柏木理佳さんが、昨年12月の総務省家計調査をもとに、物価上昇の影響を受けやすい項目を挙げて分析する。
「昨年12月の食費の支出は、106,444円です。物価の上昇率が3.8%だと仮定すると、同じ買い物をした場合の支出額は110,489円で、4,045円も増える計算です。同様の計算をすると、外食は708円、ティッシュペーパーや洗剤などの家事用消耗品は163円、歯ブラシ、シャンプーなどの理美容用品は267円、被服費は623円、娯楽教養費は1,408円、光熱費は1,027円の負担増となりました」
さらにガソリン代が、昨年12月下旬に比べ44.5円も負担増となる予想だ。昨年12月の50代世帯の平均購入数量は49.176リットルなので、2,188円増となる。
これら全てを合計すると、年末には、昨年末に比べ10,429円の負担増となるのだ。
来るべき生活費増への対応策を、前出の柏木さんが語る。
「ドラッグストアは医薬品の売り上げがメインのため、そのほかの商品の価格は抑えられています。生活用品やお菓子ばかりでなく、豆腐や納豆、冷凍食品などを購入する際、ドラッグストアの価格もチェックしておきたいところ。
小麦価格は上昇傾向にあるので、パンや麺類よりも、価格が安定しているお米を中心の食生活を心がけてみてはどうでしょうか。
また、ふるさと納税のルールが10月に変更され、返礼品や配送料、受領証明書の送付などの経費の総額が寄付額の5割以下になるため、返礼品の寄付額増や数量減が予測されます。毎年、12月に申し込んでいた人は、少し前倒しにして9月までに申し込みましょう」
政府が当てにならない以上、物価高を自衛で乗り越えなければならないのだ。