■’24年開始の厚労省の改革にも依然問題点が
全国医師ユニオンの代表で医師の植山直人さんは、「病院側は、労務管理のまずさとパワハラを隠すため、問題をすり替えようとしている」と、こう批判する。
「月200時間を超える時間外労働をしなければ通常業務ができないほど“雑務”を押し付けられていた。“自己研鑽”などする余裕はほとんどなかったんです」
厚労省は来年度から始まる“医師の働き方改革”に向けて取り組みを進めているが……。
「厚労省は、依然として医師だけ例外的に年間1860時間まで時間外労働を認めています(一般的には年間360時間まで)。日本は世界平均と比べて医師数が少ないため、長時間労働をしないと救急を担う地域医療を守れないからです。一方、当会の調査では〈長時間労働が医療過誤の原因となっている〉と答えた医師の割合は約8割にも上っています」(植山さん)
淳子さんの悲痛は計り知れない。
「晨伍は生前、医師になってよかったと話していました。医師の労働環境の改善を心から願います」
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