■グラッときたら「1秒」で出ること
「キッチンは、家の中でいちばん危険な場所と認識してください。グラッときたら、『1秒』でキッチンから外に出ること」
もし、火をつけている状態でも、
「火を消すのは、揺れが収まってからにしましょう」(国崎さん・以下同)
「ガスコンロは、大きな揺れの場合は揺れを感知して自動で止まるタイプが多くなっています。ですので、それよりも危険なものがあるキッチンから一刻も早く出ることです」
火よりも危険なものとは、炊事中なら「包丁」であり「食器・調理器具」「固定されてない冷蔵庫・電子レンジ」「煮炊き中の鍋」など。
「阪神淡路大震災クラスの大地震では、家具さえ飛び交うほどです。たとえ食器棚や冷蔵庫の転倒防止対策をしていても、食器や飲み物や油物、調味料、容器に入っている食材など……ぜんぶが飛び出す可能性がある。だから『1秒でキッチンから出る』なんです」
しかし、多くの場合はキッチンの出入り口は1カ所のみだ。
ここで冷蔵庫などの配置が重要になってくるのだという。
「冷蔵庫が倒れる場合の方向を考えてください。出入り口を塞ぐように倒れてしまったら、それだけで出るのに時間がかかってしまう。最悪の場合、出られなくなります」
■退避動線上に物を置かないことが鉄則
戸建てのリビングは、出入り口のドアと外や庭などに面する窓の2カ所が、逃げる際の経路となる。
「リビングの場合の鉄則は、避難動線上に物を置かないということです」
冒頭で国崎さんが話したように、地震が来たら「10秒で外に出る」意識が、耐震性の低い木造2階建て住宅の場合は鉄則なのだという。
「テレビ、テレビ台や各種の棚は、出入り口には置かないのはもちろん、倒れた際にも出入り口を塞がない場所に置きます」
テーブルに関しては「部屋の真ん中に置いてもいい」そうだが、脚を床に固定し、割れてケガしないように、ガラスのテーブルは避ける。また、窓にもガラス飛散防止シートを貼っておこう。