33年ぶりの賃上げ、株価4万円でも…「“中小”勤めに恩恵は少ない」と専門家
画像を見る 賃上げの“実現”を誇ってきた岸田首相だが……(写真:時事通信)

 

■物価が上昇しても50代給与は上がりづらい

 

金利が上がっても、物価上昇の流れは、続きそうだ。

 

「日銀は物価上昇を『2%程度』が望ましいと考えています。企業の業績が順調に上がる場合、賃金は消費者物価を上回る2.3%ほどのペースで上がっていく可能性はあります。逆に業績アップがうまくいかない場合、賃金の上昇1.8%程度や、それ以下になる恐れもあります」(加谷さん)

 

現状の賃上げは大手企業やその関連会社が中心。中小企業には十分に波及していない。

 

1月19日の東京新聞によると、2024年に「賃上げ予定」があると答えた中小企業は27.3%なのに対し、「賃上げの予定なし」は34.6%と、7ポイント以上も多いという。

 

また50代は、賃上げを停止したり、役職定年による賃下げを実施したりしている企業も多い。

 

今後、家計をどう守っていけばいいのか。柏木さんはアドバイスする。

 

「住宅ローンは、固定金利のほうが現状では金利が高いです。今後の変動金利の上昇率を見ながら、たとえば1.5%を超えたあたりで、それ以後の返済を固定金利に組み替えることも考えるべきでしょう」

 

加谷さんはこう語る。

 

「インフレ下では、現金を持って(預金して)いるだけでは、だんだん損していってしまいます。とはいえ、いきなり投資を始めるのはリスクを伴いますので、まずは妻のパートの回数を増やすなどして家計収入を増やすことと、自動車を手放すなどで出費の見直しをすることです。

 

余剰資金ができたら少しずつNISAなどの投資にまわせば、リスクも少なくてすむと思います」

 

物価高で、むしろ家計は“不景気”状態。自己防衛で資産を守っていくしかない。

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