■第3子以降に支援する出産一時金を1千万円に
結婚する女性の割合は小黒さんの見立てで現状約60%だという。
それがもしも約80%まで引き上げられたとしても、夫婦から生まれる子の数が2のままなら「合計特殊出生率は1.6あたりまでしか上がらない」と小黒さん。
一方、結婚する割合が約60%から増えないとしても、
「夫婦から生まれる子の数が3に増えれば合計特殊出生率は1.8まで上がり、さらに夫婦から生まれる数が3.5に増えれば、同率は2を超える計算に」(小黒さん)
とはいえ現実の生活を考えれば、夫婦が3人目の子を持つハードルは高そうなのだが、「そこからが、異次元の少子化対策なんです」と小黒さんは次の提案をする。
「岸田内閣が42万円から50万円に引き上げた出産育児一時金を、第3子以降は1千万円に引き上げる施策です。結婚している夫婦からは2人生まれるのが現状ですので、1千万円プラスされることで、『3人目を持とう』という夫婦は飛躍的に増えると思います」
ただ、それこそ財源が足りないのではないか……。
「今回法制化された加速化プランの『児童手当の拡充』は、第3子以降月額3万円支給で、その子が高校卒業までに最大で合計約650万円支給される見込みですので、1千万円も荒唐無稽ではない。
この施策で年間10万人出生数が増えればそれだけで成果ですが、支出は1兆円ですむ。加速化プラン3.6兆円の枠にも収まるんです」(小黒さん)
本当の意味での「異次元の少子化対策」が必要だ。
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