コロナKP.3株 お盆に感染爆発危機!熱中症との併発で重症化リスクも増加
画像を見る 昨年のお盆休みの東京駅。人流の増加による感染爆発が懸念される(写真:共同通信)

 

■コロナ・熱中症発生で重症化…「免疫性肺炎」に注意

 

感染がコロナだけなら、ほとんどの場合、1週間程度で自然に回復する。しかし熱中症を併発することで、重症化する可能性は高まるという。

 

「コロナによる消化器系症状に加えて、熱中症による吐き気で、嘔吐、下痢を起こし脱水が進みやすくなります。

 

加えて、今の季節は高温多湿なため、水分や電解質のバランスが崩れやすい。これらのことが重なって免疫力が低下し、重症化するリスクが高まります」

 

症状が悪化すると、頭痛や倦怠感や吐き気に加えて、けいれんや意識障害まで出てくるという。

 

さらに症状が進行した場合に懸念されるのが、「免疫性肺炎」という恐ろしい肺炎の発症だ。

 

コロナ罹患後、1週間程度で発症するものは「ウイルス性肺炎」で、レムデシビルなどの抗ウイルス薬で軽快する人が多い。

 

一方、罹患後2~3週間たった後に症状が現れるのが「免疫性肺炎」。コロナが治ったと思った矢先に発症することも多いという。

 

「ウイルスが直接肺を傷つける『ウイルス性肺炎』の後に、体内の免疫反応が暴走して起こるのが『免疫性肺炎』です。そのため、時間差で現れます。

 

症状も比較的重く、薬ですぐに治るものでもありません。入院や治療を繰り返す、あるいは人工呼吸器を必要として重症化し、命を脅かすリスクもあります」

 

免疫性肺炎にならないためにも、早期に適切な診断が必要だ。

 

コロナは抗原検査やPCR検査の結果で診断を下すが、熱中症は患者本人から聞き取った症状や経過、ほかの病気を否定することなどで、最終的に医師が判断する。

 

「コロナの検査結果が陰性で熱中症と結論づけても、2日後に再度検査をしたところ陽性になるということもあり得ます。

 

また熱中症とコロナは似た所見が多く、合併することもあるため、互いに油断できない関係なのです」

 

仮に熱中症と診断されても、症状が長引いたり、改善が見られなかったりした場合、再び医師の診察を受けることが推奨される。

 

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