■備蓄米放出は焼け石に水価格は高止まりになる
供給不足の状態で、インバウンド需要はさらに増えていく見通し……。「備蓄米21万トン放出」どころでは米の価格は下がらないのでは?
「政府は3月半ばより備蓄米引き渡しを開始するとしていますので、その後、一時的には、価格が1割ほど下がるかもしれません。
しかし前年の1.7倍に跳ね上がっている価格からの1割減では、“焼け石に水”。
高止まりの状況が続いてしまう恐れがあります」
前出のコシヒカリ5kg(東京都区部)の価格が仮に1割下がれば、一時的には、4,000円を割ることがあるかもしれない。
だが、国がその場しのぎの対策を取り続ければ、すぐまた店頭の各銘柄の表示が軒並み「4,000円台」を突破してしまうだろう。
加谷さんは「今後の日本の米政策は、もはや二者択一しかないのではないか」と次のように示す。
「価格を安定させるために、また国で管理するように戻すというなら、当然予算が必要となり、すなわち税金負担となります。
一方、自由競争を続けるなら、いまのように価格が跳ね上がっても、私たちは買わざるをえません」
いずれにしても、私たちは負担と出費が増すばかりなのだ。
過去30年の政府の“農業失策”のツケを、どう挽回していくのか?
石破政権の一挙一動に、より目を向けるべき春が来る。
■政府の備蓄米について記者会見する江藤拓農林水産大臣
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