荻原博子さんが参院選の各党政策を徹底比較!自民党は物価高対策の意欲なし、最も「公約の具体性がある」党は?
画像を見る 「“年収の壁”を178万円に引き下げ」など、具体性のある公約が多いのは玉木代表率いる国民民主党か(写真:共同通信)

 

■徹底的に具体的な公約が結果につながる。すると参院選は……

 

それに、賃金が5年間で100万円増えたとしても、家計を救ってくれるとは限りません。現状は賃金アップを上回る物価上昇で家計は火の車。こうした状況が5年間続く可能性は否定できません。賃金が上がっても困窮が続く、そんな5年後になるかもしれないのに、これを公約と呼ぶのでしょうか。

 

6月22日の東京都議会議員選挙で勝利した都民ファーストの会は「介護職の時給を1千500円以上にする」など徹底的に具体的な公約を掲げていました。その結果が得票数に表れました。

 

そう考えると、具体性のある公約が多いのは、早くからガソリンの暫定税率廃止を訴え、一貫して基礎控除の178万円への引き上げを求める国民民主党ではないかと思います。山尾志桜里さんの公認取り消しなどドタバタ劇がありましたが、ひょっとすると今回も国民民主党が躍進するかもしれません。

 

片や、自民党の公約は「原則1人2万円給付」以外に具体性はなく、訴求できる実績は「米価の引き下げ」だけでしょう。6月9日の週のスーパーでの米の販売価格は3千920円(農林水産省)。石破首相の目指した3千円台を達成しましたが、「それでもまだ高いし、米だけでは生活できない」と国民は満足していないと思います。

 

自民党は今回も厳しい戦いになるでしょう。惨敗する可能性が大きいのではないかと思います。

 

今回の選挙は7月20日、三連休の中日に行われます。こうした日程は組織票の多い与党に有利だといわれますが、2017年の衆議院議員選挙から、全有権者の約20%が期日前投票を行っています。期日前投票も活用して、どんな日程であろうと自分の1票をムダにしないよう投票に行きましょう。

 

画像ページ >【一覧あり】2025年の参院選・主要各党の公約を比較(他4枚)

経済ジャーナリスト

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