「早苗は日本を牽引する首相になる」娘を褒めなかった母は陰で…高市首相の半生を徹底取材
画像を見る 立ち振る舞いが和子さんとそっくりだという声もある高市首相(写真:時事通信)

 

■義理の息子に引き継いだ亡き母の教え

 

台湾有事を巡る答弁に端を発した中国の反発、“サナエノミクス”の副作用である高金利、高物価、高国債残高の「3高リスク」など課題は山積。国会答弁の準備のための“午前3時出勤”も話題になった。前出の辻元議員が語る。

 

「“午前3時出勤”も勉強熱心で念を入れて答弁したいタイプの高市さんなら不思議じゃない(笑)。ただ、大事なのは中身。ウルトラ右派なことばかりではまずいと思う。私たちは、普通の家庭の出でたたき上げ。奈良県出身と共通点も多く、長い付き合いなので、今、高市総理を見て疲れているのがわかります。総理就任直後、ばったり廊下で会ったときも『大変やわ、しんどいわー』と言っていました」

 

高市と夫の山本拓元議員は、一度離婚するが、2021年に再び結婚。今年2月に山本元議員は脳梗塞を発症したが、高市の介助もあり、つえをついて歩けるまで回復。今では食生活の面や、精神的支柱として高市を支えているという。山本元議員の長男で、高市の義理の息子である福井県議会議員の山本建議員がこう語る。

 

「私が’19年に福井県議会選挙に初出馬したときに、高市さんから厳しく言われたのが、選挙では決して個人攻撃をしないこと。対抗馬を意識して発言したり、批判したりするのは控えて、主張だけ訴えなさい、と教えられました」

 

選挙で個人攻撃をしない。初出馬のときから、和子さんが口うるさく伝えていた言葉を高市は息子へ引き継いでいたのだ。

 

赤いバラのようであれ──。

 

和子さんが幼いころから高市に伝えてきた言葉。男性と互角にやろうと肩ひじを張らずに、つねに女性らしい華やかさを忘れないこと。でも、自分が正しいと思ったことは毅然と、キリッとした棘があるように、と──。

 

ガラスの天井を突き破り、国の舵取りを任された赤いバラは、棘だけが目立っていくのか、それとも華やかに咲き誇るのか……。天国の和子さんが、目を光らせていることだろう。

 

(取材:山内太、小野建史/文:山内太)

 

画像ページ >【写真あり】1993年の衆院選で初当選時、両親に挟まれてバンザイする高市首相(他3枚)

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