■「私の顔がわからなくなるまでは……」
菅氏は自分が認知症であることを自覚しているのだろうか。
「自覚しています。自分で“頭の中に蜘蛛の巣が張っている”と言ったりすることもあります。以前のように、自分の頭がしっかり働いていないことが、本人にもわかっているようです」
「本当のことだから、隠したってしょうがないよ」と、認知症を公表することも受け入れているという菅氏。認知症とはいえ、買い物や行きつけのラーメン店にも一人で出かけるという。伸子さんが心配しているのは、今後のこと。
「時々ですが、幻聴が起きることがあるんです。“今ピンポンって鳴った。誰か来たんじゃない?”って言うんですけど、実際インターホンは鳴っていないし、誰も来ていない。これからもまた別の症状が出てくるかもしれません」
伸子さんは夫を介護するうえで1つだけ決めていることがあるという。それは、“私の顔がわからなくなったら、施設でお世話をしてもらう”という。
「やはり家族同士で、顔がわからなくなると、介護する側は悲しいし、情けなくなってくる。そして、腹が立ってくることもあるでしょう。とくに自分の夫や親だとなおさらつらいです。だから、もしそうなったらプロにお任せしたほうがいいと思っているんです。でも、私の顔がわからなくなるまでは、毎日楽しく穏やかに過ごせるように、見守っていくつもりです」
画像ページ >【写真あり】今は夫と穏やかな時を過ごしているという伸子さん(他2枚)
関連カテゴリー:
