ホルムズ海峡、開放の兆しも再封鎖発表“白黒パッケージ”カルビーほか日本企業に聞いた「影響と対応」
画像を見る 覚書に署名したトランプ大統領とイラン代表(写真:時事通信)

 

■出光興産

 

ホルムズ海峡封鎖の影響を直接、受けるのが、石油元売り大手だ。出光興産は海上封鎖後、日本関連の原油タンカーとして初めて同海峡の通過に成功し、5月25日、サウジアラビア産原油約200万バレルを積載して日本に帰港している。背景には1953年の「日章丸事件」へのイラン側の“恩義”があると言われる。英国による海上封鎖で経済的窮地に陥ったイランへ、出光興産の創業者、出光佐三がタンカー「日章丸」を派遣。イラン産石油を日本に輸送したというものだ。

 

自力で原油を調達しただけに政府への言い分もありそうだが、本誌の取材に同社広報部は「質問への個別回答は控えさせていただきます」と前置きして、こう答えた。

 

「当社としましては、引き続き中東情勢や原油市場の動向を注視しながら、原油の安定調達と国内への安定供給に万全を期していきます」

 

■ライオン

 

「原油価格高騰によって、今後コストの上昇を見込んでいます」(広報部)と、ホルムズ海峡封鎖の影響について答えたのがライオンだ。ナフサから作られる界面活性剤などの調達見通しが不安定になり、新商品の発売延期を決めている。では、どんな対策を取っていくのか。

 

「コスト上昇が見込まれるため、高付加価値品の構成割合を高めるとともに、コストダウン施策を推進しております。(ホルムズ海峡封鎖解除となっても)上記の対応を継続してまいります」(広報部)

 

封鎖解除前の状況に戻るのはいつか。

 

「当面は不透明な状況が続くと思われますので、引き続き動向を注視してまいります」(同前)

 

■いとう王子神谷内科外科クリニック

 

原油不足の影響を受けたのは企業ばかりではない。日本の医療現場にも、深刻な影響が起きている。まず医療機材が調達しづらくなったと、いとう王子神谷内科外科クリニックの伊藤博道院長が語る。

 

「点滴のルート(管)、手袋(ニトリル=処置可能な厚手の合成ゴムのもの)が入手困難となり、高騰しました。針(留置針)が一時入手困難となり、今もビニール(内視鏡時に患者さんをカバーする)が高騰し、入手困難です」

 

その対応策として「手袋を片手だけにする、手袋を節約し、ビニール袋で掃除」をあげた。ホルムズ海峡封鎖が解除されても、こうした対応を続けざるを得ないという。

 

「すぐには発注できないし、値段は高くなったまま。経営への影響はまだ続きます。しかし価格転嫁はできません」

 

いつから封鎖前の状態に戻るのか。

 

「輸液セットの値段は、高くなったままでしょう。手袋の値段が下がるのには、1、2年はかかります。それまでは節約していきますが、おそらく自分とスタッフの給与を上げることはできないでしょう」

 

そして、封鎖解除についてこうつけ加えるのだ。

 

「医療を脅かす不毛な争いで、我々は暗闇のなかにいます。そこから、やっと少しだけ光が見えてきています」

 

まさに“不毛な争い”の終わりは、まだ見えない――。

 

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出典元:

WEB女性自身

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