■必要以上に養子の権威付けを企図か
前出の皇室担当記者はこう続ける。
「妃殿下方が受けられた『お妃教育』も参考にされる見込みです。皇室に入る養子は儀式に先立ち、宮中祭祀や行事、皇室のならわしなどを学ぶ機会が設けられることも検討されています。雅子さまはご成婚前、憲法や歴史、和歌、書道を含む8つの科目を50時間ほど受けられ、紀子さまも28時間受講されている事例にならう形となるわけです」
だがそもそも、現在の皇室から36~38親等も隔たりがある旧宮家の人々を“天皇の男系子孫だから”という理由で養子縁組の対象とする制度への批判は根強い。その多くが“慶事”として国民が歓迎するご結婚と養子縁組では、決定的に異なる環境にあるのだ。
こうした状況から、高市政権がある一手に打って出る懸念すらあると、前出の宮内庁関係者は危ぶんでいる。
「結婚と同じように、国民が養子縁組を歓迎できるのでしょうか。天皇陛下が述べられたような“国民の理解が得られる”環境が整ったとは言えないでしょう。そうしたことから、養子縁組の実現を、自民党や日本維新の会への支持や後押しを通じて主導してきた保守的な立場の人々が、養子の存在への支持を図ることは十分に考えられるのです。
儀式を通じて養子が皇族となったことを強い印象とともに国内外に示すため、外国のVIPをも招く祝宴や披露の場を設けるような形で儀式を大規模化し、必要以上に養子の権威付けを図るという施策を、政権が宮内庁に行わせようとする可能性も高いのです」
皇室を威圧するかのような、高市政権や保守派が取り仕切る盛大な養子披露宴……。 近現代の皇室史に詳しい静岡福祉大学名誉教授の小田部雄次さんは、こう警鐘を鳴らす。
「男系男子の皇統が保たれた慶事であると、ことさら盛大に儀式を執り行うよう、政権が宮内庁に働きかければかけるほど、今回の改正のあり方に疑問を抱く国民の違和感は強まるばかりでしょう。
儀式ということであれば宮廷費が充てられることになるのでしょうが、納税者意識が高まる昨今、皇室の儀式への“不要な支出”として、皇室に対する意識にマイナスの影響すら及ぼしかねません。
そもそも皇室や国民の声を無視する形で、高市政権は皇室典範の改正を性急に進めました。儀式についても、養子縁組の実現に向けた既成事実を積み上げようという意図を感じます。戦後の皇室への国民の信頼や敬愛、崇敬の念は、男系男子による皇統が維持されているから生まれているのではありません。
国民とともに歩み、苦しみや痛みを抱く人々に寄り添おうとする皇室のあり方が、脈々とご家族の間で受け継がれてきたことに根ざしています。けっして、盛大な儀式などで培われるものではないのです」
高市首相の暴走によって、皇室と国民との“絆”が断たれかねないいま、天皇陛下と雅子さまは憂悶の日々を過ごされている。
画像ページ >【写真あり】1947年、皇籍を離脱した旧宮家の人々(他7枚)
