うっすらとした曇り空のもと、天皇陛下をはじめ皇族方が宮中三殿に参集された。「秋分の日」にあたる9月23日、皇室では秋季皇霊祭の儀と秋季神殿祭の儀が行われていた。
儀式を通じて、皇室のご先祖、そして神々の恩恵に感謝を捧げられるこの日、陛下や雅子さまのご心中には、複雑な思いが――。
この5日ほど前、複数のメディアが、“改正皇室典範で可能となる皇室の養子縁組が成立した場合、養子が皇族となったことを内外に示す新たな儀式を宮内庁が検討している”と報じたのだ。天皇家に近い宮内庁関係者はこう明かす。
「天皇陛下、秋篠宮さまも懸念する発言をなさっていたように、戦後まもなく皇室を離れた旧宮家の男系男子の子孫が養子として皇室に戻るという形には、いまも世論の強い反発があります。直近の一部メディアの世論調査でも、改正皇室典範が“国民の理解が得られているとは思わない”という回答が63パーセント、“わからない”も23パーセントという結果が伝えられています。
宮内庁幹部のなかにも、“陛下や皇嗣殿下が反対されている養子縁組なんて現実的ではない”と息巻いている人もいるほどです。ただ、皇室を支える宮内庁も行政機関の一部に過ぎません。10月24日の施行まで1カ月を切り、何としても“国家の意思”を示したい高市政権の意向を、シミュレーションしている段階なのです」
近代以降の皇室で、類例のない養子縁組の制度化を実現した高市早苗首相。だがいったい、新たに行われる儀式とは、どういったものとなるのか。
「施行される改正典範では、皇室の重要な事柄を審議する皇室会議を経て養子を迎えることができると定めています。しかし皇族は、民法の養子縁組手続きが適用されないので、皇室の慣例やこの新たな儀式をもって、養子縁組の成立とみなすと、宮内庁内で検討されているそうです。
お披露目の儀式については検討中で具体的なことは今後の状況で変わるでしょう。ただ、昨年執り行われた悠仁さまの成年式のように、天皇陛下の御前で、養親となる皇族と養子が誓いのお言葉を述べる……といった形などが宮内庁内でイメージされているようです。
皇室に民間から入るケースは、男性皇族と一般国民の女性との結婚があります。宮内庁では現在、この結婚の儀式や手続きをもとに、養子縁組の制度の“肉付け”を進めようとしているのです。また、江戸時代に皇族の間であった養子縁組の記録などもさかのぼって調査していると聞きます」(皇室担当記者)
元宮内庁職員で皇室解説者の山下晋司さんによれば、皇室のご結婚の形を参考にした場合、養子縁組の儀式は次のような形が想定されるという。
「お妃を迎えるケースを参考にすれば、皇室会議で養子縁組が正式に決定し、その旨の発表があった後、受け入れる宮家と送り出す旧宮家において、一般の結納にあたる儀式が行われるでしょう。
皇室の儀式としては、宮中三殿での拝礼、天皇皇后両陛下にお会いする朝見の儀、ほかに祝宴なども考えられます。養子縁組の対象となるのは、戦後に皇籍離脱した11宮家の15歳以上の男系男子ですが、養子が未成年の場合は、記者会見なども含めて、成年後に行われる儀式・行事もあるでしょう」
2021年5月の政府有識者会議のヒアリングの時点では、久邇家、賀陽家、東久邇家、竹田家の4家に“20代以下の未婚の男系男子が10人いる”と明らかにされている養子の対象者たち。だが、一般国民として生まれ育った彼らが皇室にそのまま加わるわけにはいかない。
