福島第一原発の事故から6カ月、葛藤を抱えながら放射能と闘う福島のお母さんの今を追った。福島県郡山市から避難してきたという伊藤麻奈美さん(31)は、2児のママ。2歳になる長男と5カ月になる二男を抱え兵庫県神戸市で暮らしている。

震災時、二男はまだ伊藤さんのお腹の中だった。妊娠33週だったお腹の赤ちゃんを守るため、彼女は第一原発2号機が水素爆発を起こした後に神戸へと一時的に避難したのだ。だが、10時間も車内で揺られたため、切迫流産で入院することになってしまったという。

「福島での出産は無理でした。見知らぬ神戸で親戚もいない、原発もどうなるのかわからない。夫の仕事や両親、友人、心配なことや不安なことはたくさんありましたがでも私はベッドで寝てるしかない状態で……」と伊藤さんは当時を振り返った。

その後34週の早期産で、4月2日に出産した伊藤さん。仕事のある夫は郡山に戻ったが、新生児をすぐに動かせず、彼女は神戸市内の市営住宅で暮らすことに。だが、居住期限は1年。来年の4月には出て行かなければならないという問題を抱えている。

「先のことなんて考えられない。1日を何とか生きている状況です。入居期限を延長してくれるとありがたいですが……」と伊藤さんは言う。同じ避難してきたママたちと『べこっこMaMa』というグループを立ち上げ、延長を訴え続ける彼女。そんな福島の母たちの奮闘6カ月を本誌で総力取材!

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