7月某日朝10時、35度を超す炎天下の京都の幼稚園で、ドラマ『京都地検の女』(テレビ朝日系・木曜20時~)のロケ撮影が行なわれていた。撮影の準備で50人以上のスタッフがごったがえすなか、包丁を片手に巨大なスイカをバッサバッサと切り分けるジャージー姿の女性がいた。なんと主演女優の名取裕子さん(54)だ。

「この暑いなか、京都までようこそ。今日は今年いちばんの暑さだってね~。スイカ召し上がりました? さあ、どうぞどうぞ!」

大女優がみずからスイカをふるまっているとは驚き。彼女はまわりの誰もが認める料理上手、美味しいもの好き、そして仲間が「美味しい!」と喜ぶ顔を見るのが大好きなのだ。

「撮影のスタッフはほとんど男性でしょう。食べ物の演出がイマイチのときがある。『こんな魚、主婦が朝から焼くわけないでしょう!』とか、よく注意してます。料理だけじゃなく、女性の目線で見て違うなと思ったら、その都度指摘する。もう監督にうるさいと思われるくらい(笑)」

スタッフのあいだで、今いちばん盛り上がっているのは『太秦女子高合宿』と呼ばれている「女子会」の話題。宴の場所は名取さんのマンション。料理のしきりは、もちろん”名取ママ”だ。そんな彼女は、撮影途中にもかかわらず、古川町商店街で女子会のつまみの買い出しを始めたのである。

「ロケに来るたびに、監督から『買い物途中に撮影している名取さ~ん』と呼ばれるほど、買い物が楽しみなの! 今夜のメニューは、牛肉の網焼きです。牛肉も東京の半分の値段でいい肉が買えるのよ。あっ、そのお豆腐はあとで取りにきます!」

名取さんはとりあえず注文だけして、大急ぎ撮影に戻る。こんなロケ見たことない……。

名取さんは女子会で、若いスタッフたちの「恋の悩み」も聞いてくれる。ときには「そんな男はやめなさい!」と厳しいアドバイスもあるという。

「男性スタッフは(女子会で)何を言われるのかと戦々恐々としているみたいですね。でも、女子会にカンパしてくれたある男性は、かなりポイントが上がってましたよ(笑)。会費はたったの1コイン、500円。『私たちタダだと気をつかうので払います』って。食べ放題飲み放題で宿泊ついて500円って、京都中探してもないですよね(笑)」

そして、取材を終えて本誌記者が立ち上がろうとすると、名取さんはこう語った。

「ねえ今夜の女子会くる? 明日は5時半起きでブラックバス釣りにいくわよ~」

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