ウィーン少年合唱団の一員として“来日”しているマサヤ君(14)は、「歴史が好きなので、大阪城に行きたいです。旭山動物園も見たいです」と、今回の滞在の楽しみを語った。
その歴史は500年以上。10~14歳の少年約100人で構成されるウィーン少年合唱団には、現在マサヤ君、マリオ君(11)、ユウ君(11)の3人の日本人が所属している。全員が自らの意志でオーディションを受け、入団を果たした。今回来日した全24人の「モーツァルト組」に、そろって名を連ねている。
「もともと音楽が好きで、4年前に日本で開催された団員オーディションを受けました。合格し、9歳でアウガルテン宮殿の寮に入ったときはドイツ語がわからなかったけど、3カ月くらいで友達と話せるようになりました」(マサヤ君・以下同)
団には“声変わりしたら退団”という有名なおきてがあるらしいが、現在では付属の学校が併設されており、団卒業後でも勉強を続けることができる。マサヤ君は進学を希望していて、これからも音楽の道を突き進むつもりだ。
「音楽以外では、マンガとサッカーが好き。マンガは『ONE PIECE』と『NARUTO』を全巻持っていますが、練習に集中できなくなるので、ふだんは読みません。サッカーのときも、ノドを痛めてはいけないので大声は出しません」
と、プロ意識はすでに大人並みのマサヤ君。クラシック音楽の殿堂・サントリーホールのコンサートでは、アンコールも含め、25曲を見事に歌い上げた。日本語で歌われた『ふるさと』『花は咲く』では涙ぐむ聴衆も。日本人3人の少年の声は、異国の仲間の声とひとつになり、どこまでも澄んで美しく響いていた。