4月2日、新装成った歌舞伎座こけら落とし公演の初日。第1部第1幕目――すなわちまだ誰も足を踏み入れていない新歌舞伎座の舞台に、いちばん最初に登場した七代目市川染五郎(40)。今回は父親として、長男(8)、長女(6)について語ってもらった。

「息子は1歳になるかならないころから獅子のまね事をしたり、高麗屋でいちばん重要な『勧進帳』の武蔵坊弁慶を見て六方を踏んで遊んだりしていました。親としてはうれしかったですけど、反面不思議でした。『やはり息子の体にも歌舞伎役者の血というか、DNAが受け継がれているんだな』と思いましたね」

長男は’09年、四代目松本金太郎として、4歳で初舞台を踏んだ。スパルタ教育はしないが、「家にいるときは体のことを気にしたり、痛い、かゆい、といくら言ってもいいけど、楽屋に入ってからは何があろうと何も言うな」と常に言い聞かせているという。

「4月の、歌舞伎座のこけら落とし公演には、今年小学3年生になった息子も出ていました。学校を終えて楽屋入りするまで1時間ほどあったので、その時間を利用して息子と歌舞伎座界隈をぶらぶらと。勝鬨橋まで歩いて『揺れるから怖いね』と言ったり、晴海埠頭の展望台に上ってみたり……。息子と2人きりで何の目的もない時間を過ごすことは、そうあることではないですからね」

長女は長男と一緒に踊りの稽古をしているが、仕事につながる長男とは違い、娘の場合はあくまで“お稽古事”でしかない。そこで父親は、「音楽の道に進んだほうがいいのでは」と思い、ピアノを習わせているという。

「将来的には自分で曲を作ったり、歌ってくれるといいですね。“教材”として、まず手始めに歌手でもある妹・松たか子(35)のDVDを見せて、そのあと、僕がファンだった松田聖子さんのDVDを見せようかなと思っています(笑)」

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