「じつは僕、まったく気づいていなかったんです。以前、沖縄の新聞社のインタビューを受けたとき、『島唄』20周年おめでとうございます、と声をかけられて初めて20年たつことに気づきました。沖縄の行事などが記載された『沖縄手帳』というものがあるんですが、その1月22日の欄に『島唄発売』と書かれていると教えてもらって。本当にうれしかった」

 THE BOOMの宮沢和史(47)は言う。『島唄』が収録されたアルバム『思春期』が発売されたのが’92年1月22日。同年12月、ウチナーグチ(沖縄の言葉)・ヴァージョンが沖縄限定でシングル発売され大ヒット。翌’93年6月にオリジナル・ヴァージョンを全国発売すると、日本のみならず世界中へと広がった。そして今年3月、20周年記念シングル『島唄』を発表。

「20年前の歌が“叫び”だったなら、今は“祈り”ですね。オリジナルのいちばん大事な部分は変えないように。初心に戻って歌いました」(宮沢)

 全国発売された直後の8月、加藤登紀子さんが『島唄』をカバーした。「聴いたとき、参った!と思いました。ストーリーのなかに“千代にさよなら”“八千代の別れ”といった言葉をすべり込ませ、民としての歴史というものをみごとに歌い込んでいる。非常に完成度の高い歌詞で、不思議な余韻が残るんです」(加藤さん)

 2001年にはアルフレッド・カセーロが日本語でカバーした『SHIMAUTA』が、アルゼンチンで大ヒット。翌年カセーロが来日。日韓ワールドカップ、アルゼンチン代表のサポートソングに『島唄』が起用され、カセーロ、宮沢、国立競技場の5万人が『島唄』を大合唱した。2008年にはブラジルへ。

「ブラジルには、沖縄からの移民が多い。沖縄の扉を開いたことで、南米へとつながり、日系社会との交流も深まりました」(宮沢)

 20周年記念シングルのPVは、20年前と同じ真喜屋力監督によって撮影された。沖縄の子供たちと座喜味城で『島唄』を合唱。

「『島唄』は、沖縄の人たちにとってどんなものだったのか。20年前と同様、人々が歌いつなぐ映像で、20年を振り返りながら、これからの20年も感じられる作品になりました」(宮沢)

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