8月16日公開の映画『ホットロード』。監督を務めた三木孝浩(39)は大学卒業後、レコード会社に就職し、ORANGE RANGEら多数のミュージックビデオを制作している。映像の仕事をしながらも、“いつか映画を撮りたい”という夢は持ち続けたという。

 ’10年に『ソラニン』で映画監督デビュー後、『僕等がいた』『陽だまりの彼女』など続々とヒット作を制作。そして今回、’80年代に大ヒットした紡木たくの少女漫画原作の『ホットロード』を手掛けた。

「同世代の女性の反応がすごかったです(笑)。それだけ人気作品なんだとプレッシャーを感じました。でも、当時原作にハマった世代は、中学2年生の主人公と同じくらいの子供を持つ親世代に。親と子の両観点で見られるいまだからこそ、やるべき作品だなと思いました」

 映像化にあたって注目されたのがメインキャスト。能年玲奈と登坂広臣は原作者・紡木たく先生のお墨付きだ。

「当時『あまちゃん』も放送前でしたし、登坂くんは演技経験ゼロ。でも紡木先生は『そのままを演じてくれればいい』とおっしゃっていて。リハーサルで人見知りしてテレながら演じている2人の姿を見て、僕はそれぞれの本来の魅力を撮ればいいんだと、理由がわかった気がしました」

 では、今作で主人公を演じた能年の魅力とは?

「明るい快活なイメージよりも、凛と静かに周りを見ているような。セリフがなくても、相手を見つめる能年さんの瞳が映るだけで『その目で何を感じ取っているのだろう』と観客に感じさせることができる、思わず吸い寄せられてしまう魅力があると思います」

 いっぽうで、現場ではこんなイタズラも……。

「本番の際、母親役の木村佳乃さんと2人でヒゲをつけてモニターに映っていたことが。本番前はものすごく静かな感じなのに、そういうことに関してはノリノリで(笑)。意外というか、面白かったです」

 三木監督が撮った、能年の“そのままの魅力”をぜひ!

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