「やっぱり映画は娯楽。ドキドキ、ワクワクしながらあっという間に2時間過ぎていくような作品にしたかったですし、後篇ではいろいろなことが明かされていくなかで、感動が待っている。この原作なら映画本来の面白さを味わってもらえると思いました」

 宮部みゆき原作『ソロモンの偽証』が映画化され、前後篇で公開される。監督を務めたのは成島出(53)。中学生役はオーディションで1万人から選ばれた。

「素材のいい子を選ぼうと決めていました。300人まで絞られた時点で、ワークショップを行い33人に。クランクインの1カ月前からスパルタ特訓の毎日でした。とくにメインの藤野涼子さんと板垣瑞生くんの2人はまったく経験がなかったため、お芝居ができなかった。ただ、何も色がついていない分、僕たちのことを信じて素直についてきてくれたんだと思います」

 撮影に入ると莫大なお金がかかるため、1カ月でなんとかならないようなら、来年オーディションからやり直そうという話もあったという。

「すごく苦しかったと思うけど、よくやってくれたと感謝していますよ。しょっちゅう泣いてましたが」

 求められていることを理解できても、それができない葛藤に苦しんでいたという。ヒロイン・藤野は撮影当時14歳だった。成島監督の前作『ふしぎな岬の物語』(’14)の主演を務めた吉永小百合(69)も、14歳で映画デビュー。不思議な縁を感じたのだそう。

「吉永さんは変化球を一切投げない、直球勝負の方。それでいて『私は下手だから』とおっしゃるんです。小手先で役を作ったり演じたりはせず、役そのものを生きようとされる。だからどこを切り取っても役そのものなんですね。今回、藤野さんや生徒たちにもその話をして、役になりきってほしいと伝えました」

 中学生たちの勇姿をぜひ!

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