「稽古を重ねれば重ねるほど、辰五郎はこんなキャラクターなんじゃないのかな、こんなふうに行動するんじゃないかなっていうのがモクモクとわいてきて。台本のセリフをどんなニュアンスで発するのか、詰めていたんです」

 そう話すのは、3月1日に東京・明治座で主演舞台の初日を迎えた氷川きよし(37)。芝居は江戸の火消しの人情ものだ。取材に入ったのは本番直前の2月、稽古場で氷川は、演出家・市川正氏をつかまえ、自らが演じる辰五郎のセリフについてさまざまな質問を投げかけていた。

「消防車などなくて、火消しが重要な役割を果たしていた江戸時代の話です。火消しの辰五郎はまといを持って、火のあがったところにいちばんに駆けつけて、いちばんに火を消すことを使命にしているんですが、その正義感あふれるところや、人情にもろいところも含めて、江戸っ子気質には憧れますね」

 まといの重量もなかなか。そして、ハードなスケジュールを乗り切るための体調管理もバッチリのようだ。

「今、鍋にハマってます。稽古が終わると、家に帰って鍋をするんですよ。ひとりじゃないですよ(笑)。気の置けない仲間たちと。水炊きもしますし、昨日はキムチ鍋をいただきました。本場の調味料を使った韓国鍋で、アサリと肉とにら、あとはキムチではなく白菜をいれて。体を温めるようにしています」

 最近では、鍋自体を集めることにもハマっているという氷川。

「鍋を集めるのも好きなんですよ。合羽橋(道具街)に行ったりして。店をひととおりぐるっとまわってみて、値段が200円でも300円でも安かったら、そこで買う(笑)。たくさん店があるなかで、安くていいものを探すっていうことに楽しみがあるんですよね」

 そんな、彼のおメガネにかなった鍋とはどんなものなのか?

「韓国の平たいなべとか、1人用のステンレスの鍋でしょ、小さな土鍋、大きな土鍋……鍋だけで10個はありますね。ふだんから使い分けてますけど、なるべく1人用のものは使いたくない(笑)。さびしくなっちゃうんで」

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