雨の降るなか傘を差し、道でたたずんでいたのは、うつみ宮土理(73)だった。
誰かと待ち合わせているようで、携帯電話に向かって自分の居場所を懸命に説明している。そしてついに“待ち人”が現れると、飛び跳ねて大きく手を振って見せた。
その男性はニット帽にTシャツ姿、年齢は30代ほどだろうか。ふっくらとした顔つきにヒゲを生やしたワイルド系のイケメンだった。
本誌が、うつみを目撃したのは10月1日。彼女の73歳の誕生日だ。夫・愛川欽也さん(享年80)が4月15日に亡くなってからまだ半年。5月の記者会見で、彼女は夫との死別の悲痛をこう訴えていた。
「さみしくて、遺骨をベッドに運んでいっしょに寝ています」
うつみの知人は言う。
「うつみさんを襲った不幸はもう一つありました。義妹で、所属事務所・愛川企画室のプロデューサーも務めていた内海寿美子さん(享年69)が7月下旬に交通事故で急逝したのです。愛川さんとうつみさんが結婚したのは’78年ですが、寿美子さんは40年近くも公私にわたり、夫妻をサポートし続けていたのです」(うつみの知人)
この日のうつみは年下の男性にあわせたのかジーンズにスニーカーと、かなりカジュアルなファッション。まず2人で都内にある和食店に向かった。
1時間半ほど食事を楽しみ、店から出てきたときには雨も上がっていた。マスク姿のうつみの顔にも微笑みが浮かぶ。久々に見る彼女の笑顔だ。
隣で歩く男性のたくましい腕に、自分の腕を絡めるうつみ。夜道を寄り添いながら歩く様子は年の差を感じさせないほど、仲睦まじかった。
“誕生日デート”について、うつみの所属事務所の担当者に聞いた。
「誕生日の夜でしたら、家族たちと食事をしていたと思います。その男性も親戚の1人ですよ」
しかし本誌が見ていた限り、ほかの家族の姿はなかった。
――うつみさんは親戚の方とも、いつも腕を組んで歩くのでしょうか?
「……時と場合によると思いますが……」
夫との死別、義妹の交通事故死と、つらい日々が続いていたうつみにとって、年下男性と過ごした誕生日のひとときは、傷心を吹き飛ばす最高のプレゼントだったに違いない。