「自分の初登場のシーンで、初っ端、緊張しすぎて言葉に詰まってしまうという設定で。相変わらず、うまくしゃべらせてもらえないんです(笑)」
連続テレビ小説『まれ』では、極度に無口な青年・高志を演じた渡辺大知(25)。放送中のドラマ『デザイナーベイビー』(NHK)では、妊娠8カ月の刑事・速水(黒木メイサ)の相棒として誘拐の捜査に当たる若手刑事、土橋福助を演じる。
「高志は、セリフが少ないのに、動きもちっちゃかったら面白くないなあと思って、オーバーにやることを意識していたんです。でも、今回は逆に何もしないというか、思わず自分の素が出ちゃう、みたいなところを見てもらえたらいいなあと思います」
物語の始まりは、とある大学病院の産婦人科で起こった新生児誘拐事件。だが、事件は思わぬ方向へと進む。
「犯人が捕まって終わり、ではなく、事件に絡む人々の思いというものがフォーカスされているところが面白いと思います。回を追うごとに、どんどんいろんな人を巻き込んで、雪だるまのように事件が大きく膨れ上がっていく。その後には、速水刑事の揺れ動く気持ちが事件を左右することになって……」
また、土橋刑事を主人公に、手塚とおる扮する西室刑事、神保悟志扮する日村警部補の3人が出演するスピンオフ『刑事・土橋福助』も放送中。
「本編のキャラクターを忘れて、がむしゃらに楽しんでいるというか、ある意味、崩壊してるというべきか(笑)。お2人が中学生みたいなテンションになっていくのを見て、素敵だなあ、そんな大人になりたいなあって思います」
役者として活躍する一方、自身のバンド「黒猫チェルシー」の活動も。
「役者は与えられて初めてできる仕事なので、自分のやりたいことは、音楽で1つ1つかなえているという感じで。自分が音楽を好きになったように、音楽を好きになってもらえるような曲を作っていきたいですね。役者としては、自分にしかできない役を作るとか、やる役すべて、自分の当たり役だと思えるものにすることが目標。どんな役がきても、俺だ、と言えるように」