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業績も純利益でテレビ東京に抜かれ、期待の“月9”も超低空飛行のフジテレビ。やることなすこと面白くて、ちょっとやんちゃなところも魅力だったクラスの人気者が、急に真面目な優等生になっちゃった……みたいな寂しさも感じる。私たちを夢中にさせてくれたあのころみたいに、どうすれば元気になってくれるのか?

そんな、元気のないフジテレビが心配な本誌へのデーブ・スペクター(62)緊急寄稿。フジテレビには足を向けて寝られないほどの愛着があるという、彼の考える再生計画とは――?

 

ちまたや業界内で「フジテレビ、どうしちゃったの?」という声を毎日のように聞く。自分もいつも頭のどこかに入ってるし、知人ともよく話す。もうシャレとか言ってる場合じゃないけど、月9が“月苦”になったり、上層部が『しくじり先生』に出たり、奥の手として『僕のヤバイ妻』にジョニー・デップが特別出演(!)したり、『きょうのわんこ』を24時間放送してみたりすればいいのかな?

 

でも真面目な話、ここまでのダウンワード・スパイラルは悲しい。自分は何しろ『笑っていいとも!』でデビューして、それがきっかけで人生が変わり、日本に永住することになったのだから。フジテレビのイケイケ時代を代表する『夕やけニャンニャン』や「オレたちひょうきん族」にも出演させてもらったので、今はお台場に足を向けて寝られない(幸いベッドの位置は別なほうに向いている)。

 

特別に愛着を持っていることを認めたうえで、勝手ながら検証したい。

 

今も変わらないフジテレビの特徴として経験から言えるのはまず“研究熱心”。他局と比べてアナウンサーも外交的で、お芝居やイベントや映画など、仕事とは関係なく出かけていく。外国のテレビにもいつも敏感で、よく勉強している。

 

でも、いつの間にか方向性が見えなくなった。どんどん第一線のやり手が現場を離れて管理職になり、リーマン・ショック以来、余裕がなくなって、新しい媒体やネットやスマホなどとの競争の渦巻きに入り、フジテレビらしいぶっ飛んだ発想がなかなか発揮しにくくなった。そのうえ、老舗の番組をどんどん打ち切るから「大丈夫?」との心配の声がますます挙がる。

 

もっとも不毛なエリアがドラマ。『101回目のプロポーズ』は自分でも恥ずかしいくらい泣きながら見ていた。今のドラマはフジに限らず全く進化しておらず、むしろ退化している。これだけ海外ドラマが簡単に見られる時代なのに、何の学習もせず相変わらず脚本も演技も全てがマニュアルどおりで古臭い。人間がしゃべらないようなセリフばかり。セットもいかにもセット。何よりも人気、事務所優先のキャスティングばかり。

 

厳しい提案をするならば、今から2年間ドラマを100%やめてみたらどうだろう?休むと言ったほうがいいかな。その間にプロダクションとのしがらみとか、ややこしい関係を全部切る。抱き合わせもやめる。そして2年後にリセットして、オーディションもやって、きちんと演技力でキャスティングする。ま、そこまでは割り切れないでしょうが、理想的ではある。

 

底力を信じて前のように復活して「いいとも!」。

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