結婚というイベントは、将来を考えて20代~30代の男女が経験するのが一般的です。しかし生き方が多様化した今、40代や50代や60代になってから結婚してパートナーとの絆を深める人が増えつつあるといいます。
芸能界でも’15年に女優の桃井かおりさん(66)、’17年に作家の阿川佐和子さん(64)。そして昨年末には女優の浅野ゆう子さん(57)がかねてより交際をしていた男性と結婚したと報じられ、その生き方と決断に注目が集まりました。
また先週発売の『女性自身』でもNHKアナウンサーの有働由美子さん(48)が交際している男性と結婚するかもしれないと報じられ、今後に注目が集まっています。
一昔であれば少なかったアラフィフ以降の結婚。すでに子を持つ年齢をすぎ、社会的にも立場や人間関係が固まってきたからこその結婚という決断にはどんな思いや葛藤があるものなのでしょう。
■アラフィフ以降の恋愛はくっついたり離れたり
一般社会においては定年が見え始める年齢。そこから結婚というのは一昔前なら「なぜ?」と思う人がいたものですが、生き方が多様化する今の時代は考え方は変わってきています。
しかし考え方が変わっているとはいえ、アラフィフ以降の恋愛は付き合ったり別れたりを繰り返すカップルも多いのも現実です。なぜこのような関係になるのかというと、1つはお互いが自分のペースで生きることを1番としているため。若い世代の恋愛と異なり、相手が1番大事になりすぎないからです。
自分のペースや相手の都合を考慮した結果、付き合ったり距離をおく期間があったりが繰り返される。これは優柔不断なのではなく、成熟した大人同士だからこそ起きることといえます。
また別れても自然と元の関係に戻るのには、お互い新たなパートナーを探すのが困難であるという事情もあります。
当然、周りは既婚者が多く新たな出会いは少ないです。また成熟した大人同士の恋愛は条件や性欲ではなく、価値観が一致したからこそ関係が成立しています。途中で些細なすれ違いや衝突、何らかの事情があって別れたとしても、時間がたつとまたなんとなく元の状態に戻ることはよくあることなのです。
■アラフィフの結婚は原点回帰している?
「結婚というのは、家庭を築き、家を守っていくための制度」。そういう認識の方も多いと思いますが、もともとこのような家族制度が広く一般的になったのは江戸時代といわれています。
昔の結婚はもっと自由で、恋愛と結婚の境目が薄かったそうです。妻問婚(妻の家に夫が通う婚姻)と呼ばれる制度が一般的だった時代は、女性側が気に入れば結婚し、夫が妻の家に通わなくなったら離婚をしていたそうです。
またこの時代は妻と夫、それぞれの財産はそれぞれの家族で管理していたそうです。今のような結婚制度とは大きく異なったルールでおこなわれていたことがわかります。
こうしてずっと昔に思いをはせると、現在注目が集まるアラフィフ以降の結婚もなんとなく結婚にくっつく責任や面倒を越えた“純粋な感情”が起源になっていることがわかってきます(もちろん結婚後には何かしらの面倒は起きるとおもいますが)。
とはいえ需要が伸びるシニア婚活の現場では、生活の安定という理由から女性がパートナー探しをしている場合も往々にしてあります。しかし今回ご紹介した芸能人のような自立した女性の場合はある意味で原点回帰した恋愛をした結果、1つの選択肢として結婚を選ぶようになってきたとも言えます。
人生100年時代といわれる現代。「一生のうち一人と数十年添い遂げる」という当たり前の結婚は、もはやいろんな世代で崩壊しつつあるのかもしれません。