3月23日、『YOUは何しに日本へ?』(テレビ東京系)が放送された。番組では、福岡県の「イタリア会館」で館長を務めるイタリア人のドリアーノ・スリスさんを紹介。ドリアーノさんは、明治時代に福岡で誕生した筑前琵琶を作る唯一の職人でもあった。
テレビ東京では、「情報・ドキュメンタリー番組」の枠に入る同番組。だが、放送された番組編集に異論が広がっている。
初め、スタッフは電話でドリアーノさんに取材を交渉。しかし、「バラエティ番組だと取材はNG」と断られてしまった。だがスタッフが「基本はドキュメンタリーです」と説明すると、「直接会って決める」という流れに。
その後ドリアーノさんは、改めて密着取材を依頼されると「バラエティ番組は嫌ではない」と告白。その上で、「外国人がやっているからといった理由は悲しい。笑い者じゃない」と取材を断った本心を語った。
始終一貫して、真摯に応じるドリアーノさん。スタッフは「琵琶のことで笑わない」と約束し、1日だけ密着取材の許可を得た。だが密着取材の様子が映し出されると、司会のお笑いコンビ・バナナマンの笑い声や“イジり”とも取れるテロップが流れたのだ。
例えばドリアーノさんの妻が話している際も、飼い猫に焦点を当てて「ネコとYOUが気になって話が入ってこない」というテロップが表示された。他にも琵琶造りの雰囲気を伝えるため、ドリアーノさんに作業を見せてもらったが日村勇紀(47)は大爆笑。
このような番組編集に、視聴者から非難の声が上がっている。
《今日のYOUは何しに日本へ見ていて不快だった…最初に面白おかしく撮らないでって琵琶職人の方が言ってたのにフザケて編集しすぎでは…? 日本人でもよく知らない琵琶について広めようとしてくださっていたのに失礼な編集だったと思います》
《琵琶職人の方をプロとは思えない失礼な取材・悪意のある編集・真剣に向き合う方を茶化すようなつまらない映像を作って何を伝えたいのか? バナナマン好きやのに、その陳腐な映像に乗るようなトークで少し悲しくなる》
《笑いのためのものじゃないからと取材を拒否する人に、絶対に笑わないから、と取材を許可してもらったくせに初手で笑っていて感覚を疑った》
同番組は4月から30分拡大して放送されるという。いっぽう、新型コロナウィルスの影響で来日外国人は減少している。番組制作も不安視されるなか、視聴者からひんしゅくを買ってしまったようだ。