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「本当に、いい映画だったよ。ストーリーもいいし、春馬の姿も見ることができて……。思わず映画館で泣いちゃってさ」

 

三浦春馬さん(享年30)の実父・Aさんが、少し興奮した口調で知人たちにそう語ったのは、昨年12月中旬のこと。昨年7月に急逝した春馬さんの遺作映画『天外者』。その公開初日にAさんは見に行ったのだ。

 

『天外者』は「第94回キネマ旬報ベスト・テン」で「読者選出日本映画ベスト・テン第1位」となった。2月4日に行われた表彰式で、田中光敏監督はこう語ったという。

 

「これは春馬くんにもらった賞。春馬くんの思いがたくさんの人たちに届いた。そう思っています」

 

感動・安らぎ・優しさ……、俳優として、そして1人の人間として、春馬さんは多くの人々に“贈り物”を届け続けた。もちろん前出の実父・Aさんも、それを受け取った1人だろう。そのAさんの突然の逝去を本誌が知ったのは、表彰式の数日前。63歳だったという。

 

Aさんは春馬さんが生まれ育った地である茨城県に住んでいた。Aさんの知人はこう語る。

 

「Aさんが最後に目撃されたのは1月15日未明です。前夜、いきつけの飲食店に現れたのです。しかし朝の3時ごろ、『気分が悪くなった』と、帰宅し、その後、連絡が途絶えてしまいました。店では親しく話す仲とはいえ、Aさんの自宅の住所を知る者はいませんでした。

 

Aさんは’17年に心臓を悪くしてペースメーカーを入れる手術を受けていたのです。そのときに医師から『余命は1年ぐらい』と、宣告されたそうです。本人も『俺はいつ死ぬかわからないから』と、よく言っていましたので、連絡が取れなくなったことを、仲間たちはとても心配していました。

 

実は帰宅した直後に亡くなったということを聞いたのは、1月下旬です。こんなに急にAさんがいなくなってしまったことに、私も愕然として……。でも余命1年と宣告されてから3年以上も頑張ったのですからね。きっと春馬くんの存在が支えになっていたのだと思います」

 

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