宇多田ヒカル「ノンバイナリー」公表とLGBT、そして“QIA+”とは
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■LGBT “QIA+” って?

 

確かに、この10年ほどでLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)について世間の認知がだいぶ進んだが、加えて、LGBT“QIA+”という呼び方もある。村上さんに“QIA+”について、ひとつずつ意味を教えてもらった。

 

【 Q(クエスチョニング、クィア)】

自身の性自認(こころの性)や性的指向(好きになる性)が定まっていない/分からない、もしくは意図的に定めていない人のこと。

 

【 I(インターセックス)】

生まれつき、男性・女性、どちらとも断言できない身体構造を持った人のこと。

 

【 A(アセクシュアル)】

誰に対しても恋愛感情と性的欲求を抱かない、無性愛の人。(パンセクシュアルの反対)

 

【 +(プラス)】

ほかにも様々なセクシュアリティがあるという意味。

 

「最近では、デミセクシュアル、パンセクシュアル、Xジェンダーなどという言葉もよく聞かれるようになりました。『デミセクシュアル』は、他者に対して基本的に性欲を抱くことはないものの、強い愛情や深い友情・絆を築いた相手(精神的に強い結びつきを感じられる相手)に対してなど、そこからはじめて性的な欲求を抱く人。『パンセクシュアル』はアセクシュアルの対義語で、相手の性に関わらずどんな人でも愛することができる、全性愛の人。

 

『Xジェンダー』はノンバイナリーとよく似た言葉ですが、こちらに性表現(ふるまう性)の概念は含まれず、性自認(こころの性)が男性にも女性にも当てはまらないこと。『トランスジェンダー』は生まれたときに割り当てられた性別が、自身の性自認(こころの性)または性表現(ふるまう性)とは異なることを指します」(村上さん)

 

■ジェンダーアイデンティティの可視化

 

自身のセクシュアリティをオープンにできる人が増えた昨今、今まで「見えなかった」現実が可視化されただけで、決してセクシュアルマイノリティやノンバイナリーが「増えた」わけではないと、村上さんは言う。

 

「インターネットやSNSのおかげで、自身のアイデンティティがより明確に説明できるようになったのだと思います。そうした背景から、異性愛者、同性愛者関係なく『私はノンバイナリーかもしれない』と気付いた人もいるかもしれません」

 

SHIBUYA109 lab.はZ世代のジェンダーに対する意識調査を行った。日本におけるZ世代とは1990年代後半から2012年頃に生まれた世代を指し、幼少期からインターネットに触れてきたデジタルネイティブ世代のことだ。意識調査の結果、今後は若い世代を中心に、自分の性が何であってどんな性を愛するのかはひとつの個性でしかなく、『個人』を認め合う社会に向かっていく様子が見えてきたという。

 

「社会における制度としては、同性婚実現に向けた動きや、ジェンダー平等に向けた動きもより活発になってきています。教育・仕事・結婚・医療・公的サービスや社会保障など様々な分野においても少しずつ改善が行われていくのではないでしょうか?」

出典元:

WEB女性自身

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