「榊氏の件について、プロデューサー陣はずっと黙っています。私にとって、そこが一番理解できないポイントなんです」
こう語ったのは、映画『蜜月』でカメラマンを務める早坂伸氏だ。
『蜜月』は“女性の性被害”に焦点を当てた作品。しかし3月9日、その監督である榊英雄氏(51)が、複数の女性に性暴力を行なっていたと『文春オンライン』が報じたのだ。
その後も被害者からの告発が相次ぎ、3月29日時点で、榊氏からの被害を訴えた女性は9人にのぼる。これらの報道によって、今月25日に予定されていた『蜜月』の公開は“一旦中止”となった。
そんななか早坂氏は冒頭のように、同作のプロデューサーらで構成される製作委員会に対して、不信感を募らせているという。
「実は『文春』報道の前に“映画監督から性暴力を受けた”と告発するブログ記事を発見したんです。監督の名は伏せられていたものの、書かれている内容から榊氏に対する告発だと認識しました。そこで、『蜜月』製作委員会のメンバーそれぞれにブログを転送したんです」
ところが、『拝読します』と1人から返ってきたのみだったという。
「監督が性暴力の加害者かもしれないのに、プロデューサー陣はそれを見過ごそうとしている。そんな人たちの作る“性被害にスポットをあてた映画”っておかしいですよね」
なぜプロデューサー陣は、“榊氏が性暴力の加害者かもしれない”というブログに反応しなかったのだろうか。そこで本誌は、『蜜月』の製作委員会に質問状を送ったところ、以下のような回答を得た。
「(早坂氏が送ったものは)URLのみのメールで、当時は送付の真意が分からず、製作委員会各社の社内でも状況確認と対応の協議をしていたため、直ちに対応することができませんでした」