■今年5月には「イッテQ!」でもホタルイカが炎上
ジビエの件についてTBSは「誤解を招く表現」と釈明したが、このような“食をめぐる騒動”は他局でも起こっていた。
今年5月1日に放送された『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)では、“ホタルイカを生で食べても問題ない”と視聴者を誤解させる描写があり批判が相次いだ。ホタルイカは生で食べることによって皮膚疾患や旋尾線虫症に感染するおそれがあり、富山県も注意喚起している。
「富山県に訪れた芸人が、ホタルイカの身投げの鑑賞と漁に挑戦する企画でした。夜の海岸に集まる人たちが映し出されると、『海岸に集まるホタルイカをすくい、獲れたてをその場で味わう』というテロップとナレーションが流れました。結局、ホタルイカは獲れなかったのですが、『獲れたてをその場で味わう』との表現によって“生で食べるつもりだったのでは?”と感じた視聴者も多かったようです」(テレビ誌ライター)
この時も本誌が日本テレビに取材すると、「番組ではホタルイカの専門家にアドバイスいただき、獲れた場合は加熱処理をして食べる予定でした。ご指摘の点については、HPで注意喚起しました」との回答が。そして番組公式サイトには、《ホタルイカを食べる場合は、加熱など適切な処理が必要ですので、ご注意ください》との一文が掲載されたのだった。
健康リスクのある食材をめぐって、注意喚起の欠落や誤認しうる表現によって炎上が相次ぐバラエティ番組。果たして、テレビ局側の“リテラシー”が不足していることが原因なのだろうか? 食を巡る炎上が相次ぐ背景や要因について、フードジャーナリストの山路力也氏に話を聞いた(以下、カッコ内は全て山路氏)。